めぞん一刻ドラマ

一回限りのドラマとして放映していた『めぞん一刻』、録画して視聴。

つい最後まで見てしまった。役者の演技が全体的にいまいちだったけれど、なぜか。

これはあれだな、ドラマを見ながら原作の各シーンが頭の中に去来するから、無意識のうちに、頭の中でいい感情を補完しているんだろうな。若き頃の記憶は最強だ。人間、いい記憶ばかりが残り、それ以外の記憶は薄まるようにできている。

観る側がこんな調子だから、もし連続ドラマが始まれば、できの善し悪しにかかわらず、きっとまた見てしまうだろう。

原作を読みたくなった。引っ張り出してみるか。


……実は私、めぞん一刻をリアルタイムで読んだ(観た)世代ではなかったりする。原作もアニメも存在すら知らず。悲しみよこんにちは。何それ食べ物?

調べたところ、当時の連載期間は1980年から1987年の七年ちょっとだそうだ。リアルタイムの世代は現在、35歳から40歳くらいまでだろうか。

そして物語の中では、主人公の浪人生が大学受験に合格し、紆余曲折を経て就職浪人、就職と進み、管理人さんと結ばれるまで六年半が経過しているらしい。

つまり七年以上をかけて、六年半の内容を語った物語というわけだ。

よく耐えたなぁ当時の読者は。あれだけ付かず離れずのやりとりをよくもまぁ七年も見守った。それだけ読者を引き込む力は絶大な漫画だったようだ。『めぞん一刻』は俺の青春も同然、という人は多いかもしれない。

私は床屋で存在を知り、あとから一気に購入に踏み切った。そのときは、とっくに全巻がコミック化されたあとだったので、心おきなく一気に読破。家に来た同世代の友だちも全巻読破していき、あとに続くように、何人かが購入していったことも憶えている。漬かってた人は多かった。

いまだ意識して捨てずに全巻を残してある唯一のコミックであります。