ウィザードリィ(クラシック)の気になるところ2
前回の記事に続き第2回。主旨は前回と同じ。
初期ボーナスを頑張る意味はあるのか
キャラクタ作成時、初期ボーナス稼ぎをがんばる行為は時間的コスパが悪い。ウィザードリィは最序盤を除きキャラクタ成長させやすいゲームなので、特性値は始め低くとも、ゲームを進めていればあっという間に上限近くまで上がってしまう。
その上、特性値がゲーム上の各種判定にどの程度活用されるのかというと、かなり微妙なところ。特性値の高低がさほど重要ではないところが、さらに「特性値稼ぎの無意味さ」を引き立たせている。
しかし、無駄と分かっているのに日夜、初期ボーナスのダイス目に一喜一憂し、そこに貴重な青春を捧げ続ける諸兄のなんと多いことか。
そろそろルールを見直し、初期ボーナスの魔力に取り憑かれたプレイヤーたちの努力に報いるべきではないか。
レベル上げメリットの薄さ
キャラクタが一通り呪文を覚え、特性値が伸びきってしまう「成長カンスト」の時期は意外に早く来る。
キャラクタが成長しきってしまうと、レベルが上がることによるメリットは、見かけ上はHPのみ。
罠対処能力が上がったり、攻撃回数が上がったりと言った要素は、画面上に表示されないため分かりにくい。
罠対処能力上限や攻撃回数上限が厳しいクラスにおいては、なおのことメリットがない。
レベルに比べて特性値の価値を感じにくい
6つのキャラクタ特性値だが、それなりに重要な計算に使われているものの、私は価値を感じにくい。
わりとあっという間に成長上限に達してしまうことに加えて、「最大値になったからむちゃくちゃ強い」という感じもなく、自分は一体、何を育てているのだろうと感じることがある。
特性値に比べ、レベル値がさまざまな場面、見えない計算処理に与える影響が大きく、ウィザードリィ(ウィザードリィ風)をキャラクタ育成ゲームとしてみなした場合の視覚化ルールをもう少し整備したい。
攻撃速度と器用さと詠唱速度でパラメータを分けたい問題
特性値のうち、素早さ(アジリティ)は速度に特化させるべきパラメータだと私は考えている。
戦闘時の行動順に影響する速度は、罠解除などに影響する器用さ(デクスタリティ)とはパラメータを分けたい。
さらに、白兵戦用の攻撃に関する速度と、呪文の詠唱に関する速度は求められる身体能力が異なるため、パラメータを分けたい。
防御と回避と耐性の仕様が簡素すぎる
ウィザードリィでは伝統的に、防具の性能がAC(アーマークラス)として表現され、ACは回避力を表すパラメータとなっている。このAC、ウィザードリィらしさを表すパラメータとしては重要。
一方、受けるダメージを逓減するパラメータがない。この点の良し悪しはさておき、業界的に一種の伝統のようなものだ。
さらに、ブレス攻撃や呪文攻撃に対する耐性(レジスト)の定義もはっきりしたものがなく、「運の強さ(Luck)」が所定ダメージを軽減する、と昔の攻略本に書かれていたりするのがせいぜいだ。
一部の声として、用途の少ない「信仰心(Piety)」を耐性に使うとか使わないとか漏れ聞く程度で、古参プレイヤーももはや慣れきっているのか、改善を希望する人は多くないように見える。
私は、ウィザードリィらしさも残しながら、なんとか整備できないかと考えてみる。
馬小屋以外の宿コスパの悪さ
馬小屋以外の宿コスパが相対的に悪い点。
ウィザードリィの宿仕様にあえて手を入れないこの文化、良いのか悪いのか分からないが、私には勿体ないと感じる。宿屋って結構、ゲーム的な要素を仕込める要素だと思うのだ。
とはいえ、翻って他ゲームに目を向けても、かのドラゴンクエストやらファイナルファンタジーやらの著名作品ですら、「パーティ全員が1泊で全回復」「1泊の値段が安価」「いつでも空き部屋がある」といった永久仕様があるし、宿の仕様というのは伝統文化の象徴なのかもしれない。
とにかくウィザードリィ的な(馬小屋回しでHPと呪文回数を回復させる)仕様に対し、私は特に魅力を感じないので、簡略化するために「街に戻ったらHPと呪文を全回復」でいいと思う。そして、宿屋にはレベルアップ判定機能のみを持たせるか、宿屋を廃止してレベルアップ判定施設を別に作るのだ。
転職前の能力はどこへ……
転職の目的が、呪文習得状況引き継ぎにほぼ限定されている問題。
転職前が戦士や盗賊の場合、転職後のメリットがほぼない。(特性値の伸びが速く上級職に早く転職できることがメリット。しかし転職前のスキルを活かせない転職が、転職の名に値するだろうか)
司教のアイテム鑑定能力や、忍者のAC・クリティカル能力も引き継げない。
ということで攻撃回数、罠鑑定罠解除の能力、アイテム鑑定能力、クリティカル能力は引き継げてもいいかも。
上級職の価値が落ちるので、いよいよ上級職を廃止しますかねえ。いやこれは冗談だけれども。