「ウィザードリィ〜囚われし魂の迷宮」のこと

何年か前、古き良きウィザードリィの世界を復刻させようと、アクワイアという会社が、ウィザードリィを立て続けに出したらしい。

そのうちの一つが「ウィザードリィ〜囚われし魂の迷宮」というゲーム。

これがPS3のゲームと言われても信じられないほど、演出はしょぼい。*1

だがこれは、ウィザードリィなのだ。ウィザードリィだからOK。

モンスターグラフィックは末弥純さん

敵の絵が末弥グラフィックというだけで、とりあえず値段分は回収した気がする。

2Dの、迫力ある静止画を何枚も拝めます。

倒したモンスターについては、宿屋のモンスター情報で説明を読むことが出来る。これを読むのが結構楽しい。

基本は初期のウィザードリィを踏襲しているが……

能力値6種、種族5種、職業8種、性格3種の初期ウィザードリィは踏襲。

種族バランスが結構変わっている。人間の信仰心が弱点ではなくなり。ノームが最高の魔法使い最弱HPに。ホビットは例によって名詞が使えず、ポークルという種族名に。

アライメントもGNE(善・中立・悪)の3種で同じだが、当該シナリオでは、NもG/Eに切り替わる。GEは同一パーティを組めないが、迷宮内で合流できる点も継承。

バランス的には、上級武器と司教(ビショップ)のゲーム

試したところ、強力な武器の有無と、司教の配置だけで終わっちゃうゲームだった。

  • 中盤でオーディンソード登場。戦力構成が極端に変わった。
  • 司教がどんどん呪文を憶えるので、僧侶魔術士いらず。

強力な武器を扱える職業が、侍と君主に限定されている。

戦士・魔術師・僧侶・盗賊・忍者は重要ではないので、パーティ枠が余ったら、好きなように配置してみてネという感じ。

と書いてしまうとあんまりなので、以下にちょっとだけ書いてみた。

戦士は育ちが早く、HPが高い

司教に転職させる前に育ててもいいかも。

僧侶のターンアンデッドは有為

僧侶専用コマンドのターンアンデッドが抜群に強いので、中盤まで、僧侶がいると戦力が安定する。

でも終盤はアンデッドが少ないんだよね……。

ノーム魔術士が最高呪文破壊力

今回、基礎INTが14もあるノーム。

2番手はエルフの10ですよ。続いて人間8、ドワーフとポークルが6。なにこの差。

INT値は魔法使い呪文の攻撃力に影響する為、ノームは、最強のティルトウェイトを撃てるわけです。

さらに、魔術士の特殊スキルとして、戦闘中に呪文攻撃力を増大させるコマンドがあります。司教や侍には使えないので、ノーム魔術士の呪文攻撃力は、すべての種族職業組み合わせの中で、最高となるのです。

そのかわりノームは、HPの大きさに絡むVITが最低値の5なので、あっという間に逝っちゃうけど……、魔法使いスキーな人は今回、ノーム魔術士でロマンを追及して下さい。

なお、信仰心をあらわすPIEの値、ノームは11で、これも1番高いです。

1gpを1経験値に変えることができる今作の、盗賊の使い所

今作、盗賊の成長が遅い。

そのかわり、盗賊の「盗む」スキル収入がそこそこあるので、金稼ぎに良い。

そして、1gpを1経験値に変換することができる今作、金儲けができるということは、キャラクタ育成に役に立つということになる。

宝箱については、中盤まで、宝箱のほとんどが空なので、開ける必要なし。

中盤以降は、宝箱に罠がかかっていても、それが致命的なものでなければ、解除せず開けてしまってヨシ。よって盗賊がおらずとも、アイテム収集にはあまり影響を与えない。

戦力にならない盗賊は、金稼ぎ専用と考えて良いと思います。

忍者はロマン

成長が遅いので、ロマン追求型の職業であることは変わらず。

これは許してあげましょう。

素手だとクリティカルヒットが出ること有り。武器を持っている場合、「暗殺」する前に1ターン「隠れる」動作が必要になる。

手裏剣を入手したときの為に、一人は作りたいよねえ。

司教から転職させるのがよさげ。

印象的なモンスター

  • ボーパルバニー。かわいい。今作ではついに、ぬいぐるみになってしまった。
  • アルプ。かわいい猫。でも強敵。
  • モーラ。かわいらしい女の子。破壊力バツグン。死ぬ。
  • ポイゾンジャイアント。すげえグロい。
  • サッキュバス。髪の毛が邪魔で見えない。ずらすべき。見えても犯罪、見えなくても犯罪。
  • ドラゴン族。華麗に雄々しい。見かけ倒しなのもウィザードリィっぽい。
  • リーパー。どう見てもフラックです。本当にありがとうございました。逝って参ります。
  • ハヤテ。最上級忍者とのことだけど、もはや人の性能じゃない。

人系(ファイター・メイジなど)が今回、打撃力抜群です。魔導書を手に殴ってくるメイジに、何度後衛が撲殺されたことか。これが敵戦士の殴りになると、前衛がイチコロです。

ジャイアント系・ドラゴン系のイメージは迫力満点。

アンデッドは中盤まで数が多いが、こちらに僧侶が一人いると、すべてザコになる。

謎かけはない

特にWiz5あたりで顕著だった謎かけだが、今作はなし。

ゲーム進行は、マップ開拓がメイン。

ムービーもないし、シンプルだと思います。

わりと面白い

即死級モンスター登場時の戦慄、トレジャーハントのワクワク、ロストの恐怖、狭い視界に対する不安感、ダークゾーンや呪文禁止エリアへのイライラ感など、ウィザードリィっぽさは、よく出ていると思います。

良いアイテムが出る・出ないにより、難易度が極端に変わってしまうけれど、そこもウィザードリィ

ダンジョンの緊張感はそれなりで、でも自動セーブじゃないから、リセット/ロードの操作感覚は、昔と違います。リロードのご利用は計画的に。

価格的にはお安く、まったり遊ぶには良い選択肢かなと思います。

*1:2014年現在、スマホ向けにもリリースされている。