女性には棋士がいない

先日、将棋アニメを見たことを書いたが、それでちょっと思い出したこと。

私の父は、私がNHK杯(教育テレビの将棋対局)を見ているのを横で見ながら、「なんで女とは戦わせないんだ?頭の戦いなんだから女にも参加させるべきだ」と言う。

別に女性の参加を拒否してるワケじゃありません。棋士(四段)まで勝ち上がってくる女性が一人もいないだけ。

業界的には有名な話だが、女性には棋士がいない。女性の将棋指しのことを世間では「女流棋士」と呼ぶが、頭の「女流」をカットして、単に「棋士」と呼ぶことはしない、というのが暗黙の決まりになっているようだ。正規の「棋士」を名乗るには、業界で決められた資格を得る必要があるからだ。

棋士になるには、奨励会棋士への登竜門)という組織を通過して資格を認められなければならない。奨励会そのものは男女ともに解放されているし、実際に女性が在籍してはいるんだけど、女性にはこの門を突破した人がいないのだ。だからあたかも、男性に特権が与えられているかのように見えてしまう。

一方で女性専用の棋界を作り、そこでプロになった人を「女流棋士」と呼んでいる。しかし「女流棋士」は、奨励会を勝ち上がったわけではないので「棋士」ではないのだ。待遇も違う。

将棋の世界を見ていると、男と女の脳の作りは違うんだなあとつぐつぐ感じさせられる。スポーツじゃないから、男女それほど差が出るとはなかなか想像できないが。おそらく得意分野が違うのだろう。

ウィキペディアによれば、女流棋士の男性棋士に対する勝率は2割程度らしい。それも公式戦初勝利まで十年以上もの歳月を要し、35戦目にしてようやく女性が白星を挙げたと。上位の棋士に勝つと新聞の一般記事に載ってしまう。

いろいろ指摘されがちな世界ではありますが、女流界はあった方がいいと思いますよ、本当に。ちょっとくらいアイドル性が出てきてもいいんじゃないか。プロ野球にだって巨人みたいに人気重視で人を集め、起用するようなチームがあるんだし。

……でもまあ、プロ野球みたいになるのは嫌だ!って言われたら返す言葉がないんですが。

気にしても仕方がない。素人のワシはNHK杯を見るだけですな。千葉涼子女流にぜひ一勝を挙げて欲しい。*1

*1:NHK杯は、トップクラスの女流棋士に参加権がある