スポーツ中継のタレント起用

サッカーW杯2次予選、バーレーンに勝利。昨日(というか今日)は、真夜中のテレビ中継を明け方まで観てしまった。

こんな記事を発見。
http://news.www.infoseek.co.jp/entertainment/story.html?q=04gendainet07117252&cat=30

要旨としてはこうだ。ある人気タレントが、W杯予選の中継番組に出演した結果、騒々しい演出を行ってファンを迷惑させているという。スポーツの中継番組が、バラエティー化してしまって台無しだ、とのこと。

まぁ気持ちは良く分かる。スポーツのテレビ中継を観ていて何が一番気にくわないかというと、アナウンサーの過度な煽りと、解説者の一方的な喝采もしくは一方的な批判とも呼べる苦言、そしてゲストの異常なはしゃぎぶりだ。本来は、一ファンとして遠巻きにかけるべき言葉が、視聴者の耳に直接的に伝わってくるものだから、気持ちのシンクロしない人にとってはやかましいだけだ。

ただ、誤解を払拭しておきたいのは、ゲストで呼ばれている人に手落ちはないと考えられること。ゲストで呼ばれているタレントにはそれぞれ、売りとする個性が定義されており、そのイメージを崩壊させかねない演出を期待してはいけない。問題は、起用する側の判断が、視聴者に歓迎されていないことだ。

さらに、問題は実況解説ゲストだけではない。時には試合前に、選手への派手なスポットライトや音楽、ダンスを用いた華美な演出で騒々しく煽る。もっとも、こちらは試合前であるから、チャンネルを変えておくことで対応は可能だ。バレーボールの国際戦では、最初の30分は別のチャンネルに変えておくことが、我が家では常識だった。

いずれも、一言で言うと「外野がゴチャゴチャうるさい」から、視聴者がゲームや競技に集中できないのだ。音を消す方法もあるが、人の声がまったく聴けないのは寂しいし、敵にせよ味方にせよ、歓声が消えてしまうと会場のファンとの気持ちの共有感が衰える。だから、我々としてはやむを得ず音声をオンにする。

決して、アナウンサーの声や解説者がいらないと思っているわけではないのだが、私もこの手の行きすぎた演出を嫌う者の一人だ。

ただ、民放地上波の番組には、多少の同情もある。有料放送が多くの家庭に普及し、各局の視聴率が下がる中、少しでも既存メディアを活性化させたい気持ちはあるだろう。そのときに、ある層から絶対的な支持を得ている人気タレントを用いるという考えに至ったことは自然であると思う。

我々にも番組を選ぶ権利があるのだから、この際は無料のテレビを観ない方向で提案したい。……と、私の父母には言っているのだが、何としても無料放送で視聴者のワガママを聞いてくれる番組が観たいようで、テレビをつけるたびにCMが長いだの煽りがうるさいだの、愚痴の嵐でむしろそちらの方がうるさい有様だ。結局、愚痴を言うためにテレビを付けるような感じか。おっと、この文章自体、私の愚痴が混じっているな。お許しを。

唯一の例外が、NHKだ。NHKに対する文句は少ない。だが、NHKは無料放送ではないし、我が家は料金を支払っている。むしろ質の高い番組を作ることが義務づけられているといってよく、逆に、民放のような体たらくを見つけたら批判するのが当たり前。

結局、番組を試聴するために視聴者がお金をかけていないこと。肌に合わない番組を観なければならない原因は、ここに大部分が集中していると私は思う。現在のシステムでは、視聴率獲得合戦が発生することは避けがたく、この状況は仕方がない。

見限る人はちゃんと見限って、有料放送を利用している。これからも競争が激しくなり、ますます煽り合戦がヒートアップすると考えられるから、今後はそのあたりを視野に入れたいと思っている。