おじさんに見せる野球のあり方

ラスト球宴!?清原、カズ化「記録より記憶」 
http://www.zakzak.co.jp/spo/2005_07/s2005070820.html

清原、巨人からただ1人球宴選出…G不人気浮き彫り
http://www.zakzak.co.jp/spo/2005_07/s2005070708.html

不振にあえぐ清原のみの選出とは、なんとも複雑な思いである………。だが、巨人からの選出が少ないという点は、大いに納得する所だ。個人的には、上原が出ないことが残念。

記事では成績云々と言っているが、オールスター投票は「人気」を問う投票であって、成績が最重要ではない。選手個人の人となり、過去の実績がそうさせているのだろうし、これはファンが望んだ結果だろう。



人々が過去の栄光にすがる様を見て、感じたことがある。野球はやはり、テレビ中継を縮小すべきだ(プロ野球ファンの一人として、非常に言い辛いことではある)。

特に、番組延長は今の時流に合わない。そもそも、視聴率十パーセントの野球を延長して、十五パーセントの後続番組を遅らせるなど不合理もいいところ。それに、延長した所で五十歳代以上の視聴者がそれほど喜ぶわけではないことに気づくべきだ。

  • 五十歳代以上の視聴者は、川上巨人の栄光再来を夢想し、日々「巨人快勝」を祈りながら観ている。しかし、今のプロ野球は昔より平等であり、一つのチームに関してそのような強さを見せられるはずもない。完封も滅多に観られないし、先発の連投など絶対にない。試合を見せても、期待を裏切り続けるだけで可哀想だ
  • 夢を膨らませてあげるためにも、現代の試合より昔の映像を毎日再放送してやる方がいい
  • 五十代以上の視聴者の大半が酒を飲んでおり、毒舌を吐き、ストレス解消のために観ている。どうせ翌日にはすべて忘れてしまうか、ゲームの節々に見せる無様なプレーしか覚えていない

野球中継延長後に風呂に入り、歯を磨いて床に就くと午後十時を回ってしまう。五十代以上、そろそろ六十代にさしかかろうかというおじさんたちは、この時間帯に寝ると翌日が辛くなってくる年頃だ。何時間もの試合時間は無駄が過ぎる。

その代わり、こういうのはどうだろう。

夜早く切り上げる、もしくはまったく放送しないかわりに、朝五時から一時間、ダイジェスト版を流せばいい。彼らは非常に起床が早いので、朝五時から巨人番組を食い入るように見るだろう。さらに彼らにとって「古き良き時代」、すなわち王貞治氏や長嶋茂雄氏らの偉業を飾るVTRを時々交えてやると喜ぶ。

私は長い間、何名もの五十歳代以上の巨人ファンがテレビ中継を見る様を見てきたが、そのほとんどが、終盤にさしかかると酒が回って目も虚ろに、仕事疲れも押し寄せ惰性で試合を見ている。時折口から出る言葉は、どすの効いた、選手や監督に対する罵声ばかり。

はっきり言ってこの状況、私は無駄この上ないと感じる。さっさと寝かせるためにも、午後九時ないしは八時四十五分あたりで切り上げて、車窓番組でも流すべきだろう。車窓番組を流す目的は「あなたは眠い。このまま見続ければ、また明日辛くなる」という暗示が込められたメッセージ番組だ。

締めの番組として、ニュースはいけない。ニュースは、インテリぶりたいおじさんたちの視聴意欲を刺激する。ニュースは、その内容を脳に吸収できる年代に見せるべきで、翌日になれば綺麗さっぱり忘れてしまう世代、いやそもそも、格好だけで学ぶつもりなど微塵もない人たちに見せても意味はない。本気で国内や世界の情勢を学ぶつもりがあるならば、酒を飲まずに野球以外の番組を観たり、ラジオを聴いているに違いない。

早く寝ることが、何よりもいいストレス解消になることを、良く知らしめるべきだ。若者と異なり、寝る可能性のある初老世代を、なぜ起こそうとするのだ。早く寝かせて、後続番組を少し早めに流した方がいい。