「復活の日」という映画Very Good!!

一昨日、深夜のテレ東で「復活の日」という映画をやっていた。深夜ものは面白いものが少なく、期待はしていなかったのだが、内容が何となく気になったので、録画だけしておいた。

で、昨日、観たのだが…。

これ、かなり面白い。突発的に良作映画を見いだしたときの嬉しさを、久しぶりに感じることができた。いやー録画してよかった。

映像が古く、演出や登場人物のパフォーマンスも現代映画からかけ離れた内容になってはいるが、ストーリーの流れと展開の持ち出し方がうまい。観れば観るほど設定的には笑ってしまうものばかりなのだが、それでもこの単純さが話としてはいい方向に働いているように思う。

私が思わず笑ってしまった内容としては、以下のような点がある。

  • 生物兵器の設定が行き過ぎている(宇宙人が地球人を絶滅させちゃうぞ、に近いいい加減さ)
    • 日本人の犠牲者が「XXXX人に達したそうです」の会話が交わされた瞬間、それまでの展開と数値と会話の反応のギャップに思わず笑ってしまった
    • そのほか、人の死に方や死に場所が何とも不自然。ツッコミどころ多数
    • というかそもそも、ウィルスに関しては温度の設定以外、何も見えてこないので“はぁ?”と思わず感じさせられる場面が目白押し
  • アメリカのトップがだらしなさ過ぎて違和感を感じる。まさか当時、危機管理という言葉がなかったのか?
    • そうだ、南極は無事だ!に気づくの遅すぎ。通常であれば、人のいる場所は全部チェックするだろうに
    • ウィルス漏れが発覚した時点で、さっさと将軍罷免しなさい
  • 将軍ほか、悪役の動機が意味不明
    • 学者がブツの運び出しに協力した目的が不明瞭だし、加えて将軍のあのバカっぷりは一体…
  • 人間描写、人間関係が希薄で感情移入しがたい
    • 主人公さえどうでもよくなってくる
    • 出産した美人のおねーさんと主人公のカラミがないかと期待したのだが、そこだけ
    • 主人公の恋人は何のために出演したのだろう?国内の情勢を視聴者に伝える役目?

内容的にはめちゃくちゃ…というかいい加減なのだが、終盤までは面白いのだ。陳腐で、単純きわまりないストーリー展開に、思わず引き込まれる。「とにかく人類を絶滅させてやれ!そうすれば盛り上がる!」ただこれだけの意気込みだけで作ったような映画にさえ見える(というか、元は小説のようですが)。昔、男の子向けの戦隊モノ番組があったが、あの理不尽な設定にもかかわらず心熱く引き込まれていた頃の感覚に似ていたように思う。

残された8人の女に、愛がなくとも子供を産ませなければならない、と女性の学者が結論づけた場面は印象的だった。そうはっきりと大事な部分を述べている点には好感を持った。たとえ非人道的であっても。なんて書くと、どこぞの人権擁護団体から抗議が来るかもしれないが、まぁ実際、男女比850:8なんて状態になったら、誰だってそう考えるでしょう。うん。結末考えるとあまり意味のない場面ではあったけど。

で、終わり方だが。あまりネタバレにならないように書くと、昔の映画(邦画・洋画共)にありがちな“オチの弱い収束”でありました。

印象の弱い終わり方は、当時の流行なのかもしれないが、はっきり言って面白い面白くないという点で言えば“面白くない”に該当する。ハリウッドの極端な大団円ぶりにも辟易するが、不幸だらけの中でうやむやのまま終わってしまう終わり方にも消化不良感が残ってしまい、嬉しくない。古い映画を観る場合に一番覚悟しておかなければならない点だから、まあ仕方がないといえば仕方がないのだが。「復活の日」はまだマシな方で、幸せ感を匂わせているので、その点は好感を持った。

とまあ、いろいろ欠点というか変なところの多い映画ではあるが、とにかく終盤まで面白いので、総合点としては、久しぶりにポイントの高い映画だと感じた。

録画したサイズが中途半端で、DVD1枚に収まらない点が悲しい。