災害時にパラシュート

今日、災害時にエレベータの中に閉じこめられた人を脱出させるための議論が続いているようで。

それと関係があるのかは分からないが、ビルの100階からパラシュートで脱出しようとする夢を見た。目覚めた後、パラシュートでビルから脱出することって本当にできないものだろうか、とふと思いついた。

そう思って調べたら、本当にいくつか商品があるようで。
http://www.geosports.co.jp/evstfunc.htm
http://www.tai-tero.com/FS-Trade/shop01/user/ESP-1.html
http://www.rakuten.co.jp/risk/632390/632392/

もっとも、パラシュートに頼らざるを得ない状況というのはそう多くない。多くの場合、問題はエレベータの中に閉じこめられてしまうことや、どこかの階が潰されたときにビルが崩壊してしまうことを中の人が予測できないことにあるのだから、こんな物を用意したところで無駄である。もし効果があるとすれば、火災時に脱出路がふさがれた場合だろうか?

たとえば、9.11テロで発生したビルの崩壊は、日本の建築基準で立てられたビルであれば起こりえなかったというではないか。しかも人間は、できれば飛び降りずに階段で脱出したいと考えるのが一般的だろう。つまり日本人は、航空機が突っ込んできたからといってすぐに飛び降りて脱出が必要である、と判断できるほどに危機意識は高くない。保険をかけていても、瞬時に行使する気が起きなければタイムアウト、ゲームオーバーである。

もし導入するのであれば、こういったことはコンピュータウィルス拡散防止と同様、“逃げ方”を伝える啓蒙活動がまず必要ではないか。

…まぁそうなると、今度はパラシュート不足でパラシュートの取り合いになって、自分の分がなくなってしまうかもしれないのでほどほどにしていただきたいものですが。

個人的に導入してはどうかという話もあるが、これもまずいことになる。実際に危機が迫ったときに“本当に使うべきか”という問題も生じる。火災が起きた部屋に、一人だけ閉じこめられた場合には迷わず使って逃げられるが、同僚や先輩が数多くいたらどうするのだ?

  • 私「よっしゃ、俺にはこれがあるぜ!!三十六階飛び降りるが勝ちっ!!パラシュートでダイ〜ブ!!」
  • 先輩「お、お前…、これだけ多くの人が焼け死のうというときに、一人だけ逃げる気かっ!?」
  • 私「なにせ三十万円もしたパラシュートですからね。こういうときに使わないと」
  • 先輩「く、くそっ…、それをお前、先輩に譲ろうって気は起きないのか!?もし俺が生き残ったら、お前の次の査定はDマイナスだ!夏のボーナスは覚悟しておけっ!!」
  • 私「はっはっは!僕の査定が付けられるよう、頑張って生き残ってくださいよ!それじゃまた!!」

これでみんな生き残ったら、パラシュートで逃げた人が損ではなかろうか?一人だけパラシュートに三十万円もつぎ込んだ上、夏の査定はDマイナス。復旧した職場ではみんなから白眼視され、社会的地位が低下。悪いことずくめじゃないか。

導入するならどのビルでも一斉に導入して、啓蒙することも含めて“使える”状況を作っておく必要があると思う。


さて夢の方は結局、自分は怖くて飛び降りられずに、先に下りるよう会社の先輩にけしかけたところで終わってしまった。その終了直前に私の口からポロリとこぼれた疑問。

「飛び降りた瞬間に気を失ったら、どうなってしまうのでしょう…?」

50階あたりから飛び降りたときに、高所恐怖症の人なんかが気を失わないかどうか心配ですよホント。