江戸時代のお裁き

「おうおう! この桜吹雪、見覚えがないとは言わせねぇぞ!!」

ということで毎週『遠山の金さん』を見ている。

江戸時代のお裁きについていろいろ調べてみた。テレビのお裁きものは明らかに作り話だらけなので、たまには“実際のところはどうだったのか”みたいな情報を調べてみると楽しい。

  • 金さんのモデルは「遠山景元」という実在した人物。桜吹雪の彫り物は、実際にあった可能性がある。デザインに関する説はまちまちである
  • 町奉行所と南町奉行所は、民事訴訟の受付を月交代制で行っていた。パトロールや刑事訴訟は常に行われていた
  • 遠島以上の刑罰は老中の審議によって決定が下される。したがって奉行の一存で死刑を決めることはできない
  • 事件の取り調べをする場として、「お白州」が用いられることはほとんどない。奉行の役目は、判決の許可を出すだけで、大半の情報を部下が収集し判断する
  • 死刑には、斬首が何種類か・火あぶり・はりつけ・ノコギリなどがあり、死刑の中にも重いものから軽いものまであった
  • 放火をすると火あぶりの刑。火には火を?
  • 「獄門」とは、牢屋で首を切ったあと、その首を獄門台に三日間さらす刑罰のこと。当初は、牢屋の建物の門に、罪人の首を晒す場所が設置されていたことから、この名が付いた
  • 不倫したら死刑(獄門)。不倫した二人とも同罪。しかし実際には、大半を示談(金)で解決した
  • 不倫の現場を見つけた者は、密通した伴侶と不倫相手の二人をその場で殺害しても罪には問われなかった
  • 罪人が死んでいる場合、死者に刑を執行することがあった
  • 女性の罪は軽減されることが多く、死刑になった例はほとんどない

(それぞれの情報については、確実に真実であったかどうか確認する術はないので、上記は参考までに)

姦通罪は死刑である。未婚でもだめ。そして不倫現場を発見したら殺していい。重婚も重罪である。

でもお殿様にはお妾さんがたっぷり。なんだか不公平じゃないか。

しかし不倫が、痴話げんかの範疇に収まることの方が多いという認識もあったようで、金で解決したり、泣き寝入りで終わることの方が多かったのだとか。まぁそんなもんでしょうな。

死刑の中でも、火あぶりとノコギリは苦しそうですなぁ。ノコギリは、希望者に罪人の首をギコギコ切ってもらう刑罰だそうだ。火あぶりは生きたまま焼かれる刑。いやー、痛いとか熱いなんてもんじゃないでしょうなぁ。

やっぱり楽なのは斬首の類かね。だって首切り役人の刀でスパッと一撃でしょう。願わくば熟練の役人に切ってもらいたいところだろうね。

それと、死刑には一応、死んだあとで弔ってもらえるかもらえないか、首が晒されるか晒されないか、遺体が試し切りにされるかされないか、といったところに重と軽の差があるみたいなんだけど、死後のことなんて罪人にとってはどうでもいいことじゃないのか。そうでもないのかね。

しかし、どうも江戸時代ってのは、死刑判決を容易に出せるようにはなっていなかったようですな。法規上はたくさんの死刑方法が定められてはいたが、施行されたものはよほどの大罪を犯した場合のみ、という感じらしい。

中には、死刑判決を出し渋る老中もいたらしい。現代において法務大臣が死刑執行の命令をなかなか出さないという報道がときおり流れるが、この話に通じるものがある。

テレビの金さんや大岡越前の場合は、毎週のように取り調べと死刑判決があって大変ですなぁ。お体に気をつけて頑張って下さいませ。