カビた下着のゆくえ

とある雨の日の夜中、洗ったはずの靴下とパンツから異様な臭いが漂い始めた。完全に乾ききらない状態で畳んでしまったため、雑菌が繁殖したものと思われる。

しかし、たかが三枚の布のために夜中に洗濯機を動かす気になれず、かといって放置していたら、翌朝はカビの香りで満たされた部屋で目を覚ますことになる。仕方がないので、風呂に入るついでに、手で洗ってしまうことにした。

手で洗いながら、雑菌を確実に殺すにはどうすべきかと考えた。そういえば、普通の石鹸には菌を殺す力はないらしいから、石鹸だけで洗うのは不安だ。風呂場にはシャンプーとボディーソープがあるのでそれを混ぜてみる。さらにひらめいたのは、薬用ハンドソープの存在だった。こいつには菌を殺す力がある。(洗濯石鹸の存在は、頭から抜け落ちてました。自分が風呂に入る状態で作業に取り掛かったからだと思う)

そんなわけで、固形石鹸・シャンプー・ボディーソープ・ハンドソープの四種を混ぜてドドメ色に変化した水を使いながらゴシゴシこする。これでちゃんと乾かせば、ばっちり菌の繁殖は抑えられるだろう!

ところが乾いた後で、今度はシャンプーとボディーソープとハンドソープが混ざった強烈な香りが目立つようになった。まぁ雑菌の臭いよりはマシなんだけど、妙に甘ったるくて、喉の奥に残りそうないやらしさがある。まるで香水つけすぎ男か、化粧濃すぎ女のイメージが染みて私の服飾らしくないアイテムになってしまった。仕方がないので、そのまま着用することに。

でも後から考えてみれば、この甘ったるい香りこそ「勝負パンツ」に相応しいのかもしれない。勝負パンツは、いざというときに魅力を放出する強力なエネルギー源でなければならない。

へっへっへ、どうじゃ! この切ない香りで、若い娘っ子をヘロヘロにとろかしちゃるぜえ!

もちろん、股間にハンドソープ使ってますなんて口が裂けても言えませんがね。