親戚の結婚式に向けて礼服と白ネクタイを探す

親戚の結婚式があるので、黒いスーツを探し出す。そして白いネクタイを買ってきた。

この礼服、私はずっと、葬式向けの着衣とばかり思っていた。調べたらぜんぜん違った。

男性用の喪服というのは、いわゆる礼服というやつで、結婚式向けのスーツとしても使えるということを最近知った。黒いのは葬式専用とばかり思ってた。

うちの男性陣が持っている礼服は、ことごとく祖母のお手製である。ハンガーには「○○洋服店」(○○は私の名字)と印刷されていて、上着には名字が刺繍されている。

こしらえてから何十年も経つものも多いが、いまだに穴も開かず現役である。普通のスーツと違ってずっしり感があり、上着ポケットの位置が若干、大サイズ、下ぎみについているという特徴がある。

親戚の半分が、祖母の作った礼服で結婚式や葬式に参列するのだから恐れ入る。作った本人は惚けちゃっていて、よもや式に出られるどころか、これらのスーツを自分で手がけたという認識はないようだが。

これらはおそらく、作者が死してもなお形を留め、着続ける人が多いだろう。というわけで婆ちゃん、いつか婆ちゃんの葬式も、みんなで同じ服を来て行くからね!!

死後も使い続けてもらえるものを作るというのは、職人の一つの到達点かもしれない。


軽井沢に行って参ります。