そろばんのA先生は若くて美人だった
母には知り合いの先生がたくさんいる。教室生活が長いので、実に多くのそろばん先生を見てきた。そのすべてが年配で母より年上か、母と同じくらいだった。
A先生は母の知り合い先生のひとりだ。A先生はよくうちに見える方なので、私は名前だけはよく知っている。ところが塾を開く時間帯の都合で、私は一度もご尊顔を拝したことがなかった。
先日、母が留守にした日に見えて、たまたま家にいた私が応対したのだが。
なんとA先生は若くて美人だったのだ!
こんなことは初めてだ。これほどの美人が何年も前からほとんど毎週、我が家に訪れていたなんて。さぞやご高齢だろうとたかをくくっていた私はつい舞い上がってしまった。
「あーようこそいらっしゃいましたようこそ!ささ、どうぞこちらへっ!」
などと、毎週いらして慣れているはずの彼女をわざわざ教室に案内したりなんかして(彼女は、勝手に教室に上がり込んでいいことになっている)。
私の話を受けた彼女はハァ、とよく分からない表情をして腰引きぎみに、よろしくお願いしますと軽く返して、あとは黙々と仕事を始められたのでした。
そんなわけで文明の利器を使いこなす場所にばかり美人がいるとは限らないということを学んだ一件であります。先日どこかで「美人すぎる海女」の記事を見たけれど、こちらは「美人すぎるそろばん教師」ということになりましょうか*1。
ただ、私が見るところA先生は、生意気な盛りにある子供たちの相手をしているうちに、かなり手厳しい性格をお備えあそばしたようでありまして。頑張って仲良くなってもせいぜい、ツンツンツンデレツンツンツンくらいの割合で男性が火傷をすることになりそうです。
世の中、バランスがとれているのかもしれませんな。
*1:私の記事なので大規模な誇張があるかもしれません。その節はご容赦下さいませ