子供に見せたくない番組

小中学生の親が対象。PTA調査。2004年度。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050517-00000123-jij-soci

「ロンドンハーツ」「水10!」「クレヨンしんちゃん」は、子供に見せたくない番組らしい。理由は、それなりに分かる気がする。ただ………

見せたくない理由の6割を占める「内容がばかばかしい」からというのは、正直なところ意味の分からない理由だ。言葉の上でも理解できないし、ばかばかしいことがいけないこと、という価値観を持っているのであれば、そのことも理解できない。ばかばかしいものなど世の中にごまんとあり、子供は美しいものと馬鹿馬鹿しいもの(これが対義であるのかも不明だが)、その他様々なものを見て育つ。

「アンケートに答えた者が嫌いな番組だから、子供に見せたくない」もしくは「アンケートに答えた者が嫌いな番組だから、子供と一緒に見なければならない立場上、見せたくない」が真相ではないのか?私の解釈ずれてる?もしくは私が変わっているのか。

単なる、親の個人的な理由によるものとしか受け止められない。こういった感情で子供に与えるコンテンツを評価するのか、今の親って。

「言葉が乱暴」とか「常識やモラルを逸脱」という理由は分かる。親として、子供が悪影響を受けることは避けたい、そういう気持ちはいつも持っていると思う。個人的には、もう少し深く考えた方がいいと思うが。私が親になっても、似たような回答はすると思う。

1位になったロンドンハーツについては、「調査結果を謙虚に受け止め、今後の番組作りの参考に……」とのテレビ朝日側のコメントが出ている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050517-00000141-jij-soci

「ロンドンハーツ」や「水10!」は、もともと小中学生以外を対象にした番組だろうし、そういう時間帯に放映していない。見せるべきではない年代の子供は、親としてテレビなど見せず早く寝かせるべきだろう。まあ、家庭の事情というものもあるのだろうが、この番組を挙げた親が多いみたいだから、子供の目に入ってしまうことを気にしている親が実際に多いということなのだと思う。ここは予想だけど。

昔、「8時だヨ!全員集合」の親ウケが同様に悪かったが、あれは番組名の通り、夜8時からの放映だったから、小中学生がよく見ていたのだ。来場しているお客も、子供が多かった。子供に見せるためにわざわざ早い時間に放映時間を設定していたのだ。私は好きな番組だったが、当時のPTAが嫌った理由にはやむを得ない部分がある。

だから、夜9時以降に「ロンドンハーツ」「水10!」の放映時間帯を設定している放送局は、むしろ配慮がなされていると言って良いのではないか。「水10!」など、見終る頃には夜11時になってしまうわけだが、水曜の夜に11時まで小中学生がテレビを見ている状況が、今の家庭にはよくあるということか? だとするとそんな家庭の方が「常識やモラルを逸脱」していると思うが。

マスコミは、もう少しアンケートの回答の背景にあるものを深く読み取って、問題の焦点をどこに当てるべきか、よく考えて記事を書いた方が世のためになると思う。私は「ロンドンハーツ」等を見ることは殆どないが、番組側がそれほど悪いとは思えないし、もっと深刻な問題が一般の家庭に隠れている気がしてならない。

(いや、今回の場合、PTAに問題があるのかもしれない。だとしたら、マスコミには申し訳ない)