2.文化として残すこと

ゲームブック」で検索をかけると、一年前よりもさらに多くのサイトがヒットする。iアプリにも移植され続けている。復刻は、蜃気楼に終わらない様相を呈している。

コンピュータゲームやテーブルトークと異なり、ゲームブックはあとの世代がついてきていないから、知っている者が少ない。ブーム時の普及度はTRPGを凌駕していたと思うが、一つのジャンルとして確立し、細く長く今に続いているTRPGと異なり、ゲームブックは後継者が残らず一時絶滅してしまった。

さて昨今、ゲームブック全般を特集しているサイトは意外に多いが、著名作品を除いて、個別のゲームを思い出し、作品の記憶をまとめて語り継いでいるサイトは少ない(コンピュータゲームなどと異なり、読後感想のニーズがないという噂もあるが)。

偏っていてもいいから、そこそこの規模の振り返りを行う人が現れたら、復刻の際に役立つかもしれない(本当かよ)。幸い、私の手元にもゲームブックが(ボロボロだが)数十冊残されており、復刻版も少しずつ購入しているから、資料はそれなりに所持しているつもり。

そんなわけで、雑記に書くネタが尽きないようにする対策として(おい)、振り返った記憶を小出しにして残していきたいと思う。もし溜まったら別ページにまとめる、と。これでいこう。

今更、旧態依然としたゲームブックの隆盛が再来することなどあり得ない。多様な価値観が混在する日本では、それぞれの要素をまたぎ楽しむ、もしくは融合させることが大切で、個々の要素は、こぢんまりとした文化として、後世に伝えることが風俗的には合っていると思う。さしずめ、古いゲームブックは平成版浮世絵というところだろうか……。

ただ、現代には現代に相応しい、文化の形があるのではなかろうか。古い資産を残す事業とは別に、現代に流用できる過去の資産についても、少し思いをめぐらせてみたい。