FF7AC鑑賞

ゲームではないがゲームの区分で。FF7ACの通常版を購入、一通り鑑賞。

直感的なイメージ

  • FF7プレイ済みの人が対象である
  • 映像作品であり、視覚的な美を鑑賞するものである
  • 音響に関しては、5.1chの環境が手元にないためあまりコメントできない。音楽はそこそこであると感じる

映像美の凄さ

善し悪しは別にして、物語に登場するあらゆる設定は、美しい演出に繋げるための道具になっている。登場人物のキャラクタ性と外観、ストーリー、舞台設定、セリフや表情、アクション、場面切り替えの手法など。

キャラクタに感情移入することは難しく、物語はそこそこであり、世界設定は強引である。もともと設定オタクが作ったような世界の続編を作ったわけで、1.5時間で実のある物語を表現することも難しいだろうとは思っていた。FF7ACは、純粋に映像にどっぷり漬かりたい人向けの商品であると感じる。

そして、映像作品としての評価、つまり美しいかどうかという話であれば、最高の出来映えではないかと思う。先日スターウォーズのエピソード3をDVDで観たが、あのシリーズから映像美のみを抽出して、キャラクタも小道具もバトルアクションも背景もすべてを構成したものという印象だ。

人気キャラクタは重要な場面で出演している。エアリスは登場が少なめだったが、使い方がうまい。当時の記憶と音楽を操って懐古心を煽り、見る者の切ない感情を復活させる力は持っている。

新鮮な感動はないが懐古はある。心が離れても目は釘付けになる。そんな内容だった。

できれば大型のテレビと5.1chサウンド環境で観てみたい。4:3の23インチTVではポテンシャルを発揮できないというものだ。

オマケはグッド

オマケ映像もすべてチェック。FF7のストーリーをゲーム画面つきのダイジェストで流す映像は良好。当時のことを少し思い出させてくれた。今見ると本当にカクカクのポリゴン。FF7未プレイの人がまずこの映像を見て、次にFF7ACを見たらどのような感想を述べるだろう?

そういえば、FF7ACに出てきたキャラクタで一人不明な人物がいて困ったのだが、あれは「ザックス」絡みのエピソードだったか……。そういえば、確かにそんなキャラもいた。

ザックスは完全な脇役扱いで、当時の私でもまったく感情移入できなかったキャラの一人だが(ドラゴンボール連載開始時の孫悟空の外観にそっくりだったので、“あ、悟空だ!”と当時思ったものだ)、そんなキャラでもFF7ACになるとカッコいい。何しろFF7ACでは全員が美男美女である。しかしエアリスの横に並んでしまっては扱いも小さくなってしまうというものだが……。

元のFF7を少し思い出す

そもそも、元のFF7はストーリーを楽しむものではなかった。はっきり言ってしまえば、“マテリア”と呼ばれる強化アイテムを世界中から探索してコレクションし、理想のバトルを行えるパーティを編成できるよう育てる楽しみが主だった。つまり、ゲームとしての価値が高かったのだと認識している。

特に男性の場合は、エアリス絡みのストーリーで思考がストップしてしまう人も多かったのではなかろうか。手元にあるFF7の設定資料では、ちょうどエアリスが死ぬところまでが前半という位置づけになっており、私もここよりあとの話はどうでもいいと感じていた。

だから、別に続きが見たいと思っていたわけでもない。元がそれなりに好きだったから手に取ってみた次第である。

そういえば、ストーリーについて言うならばFF8が良かった。こちらは肝心のゲーム性が不評なので映像化することなどまずないと思うが、あのストーリーはADVにすべきだっと思っていたし、これがスクエニの場合は映像という選択になるのだろう。個人的にはFF8のストーリー部分を映像化したものを見てみたい。特に重要なのがラグナ絡みの話。