劇団エロは世界共通のエロか

昨日、御神楽少女探偵団というゲームソフトを紹介した。

その一般向けシナリオのひとつ(アダルトではない方)に、劇団の中で起きた殺人事件を解決する話が登場する。これに対して最初、微妙な話を持ってきてくれたなぁ、と戸惑った。

というのも、私の中に、「劇団ものの創作にエロ話あり」というイメージがあったからだ。また変な想像をしてしまうじゃないか!

いつも小説などで劇団ネタが登場するたびに、太って脂ぎった座長と、あどけなさの残る人気の少女歌手が、舞台の裏でせっせと行為に励む話を想像してしまう。

伊豆の踊子』という小説に、旅芸人の女性と、昔は格が高いとされていた学生との、身分差をわきまえない恋愛が語られていたが、そのような切ない話を読みながらでさえ“妙な”想像力を発揮してしまう私(ああ川端先生ごめんなさい)。この我が心の汚れっぷり、なんと情けなや。なんて思っていたのだが。

しかしまたしても今回、御神楽少女探偵団が、私の想像に近い形で期待に応えてしまった。設定は微妙に異なるが、業界に対して力を持つ太った評論家と、立場の弱い女性歌手との下半身話である。

やはり一般向けのゲームでも、この手のネタは使うんですねぇ。たぶん今後もこのネタは尽きないだろうから、私の持つイメージはあながちヘンではないな。これで安心した。

日本の話だけではない。先日読んだ西洋の歴史小説にも、似たような話があった。男性の主人公が恋人の女性を、断腸の思いで劇団の座長に差し出して、ある仕事を依頼するというストーリーだ(年齢制限ものでもライトノベルでもない。とある歴史上の事件を題材として描いた真面目なフィクション小説である)。それ以前にも、小説やゲームの中でいくつか目にしている設定だ。もはや劇団エロは、ステレオタイプの属性といっていい。

昔は、芸人を蔑視する風潮があった。とりわけ女性が関連の職に就くことが多く、この部分を利用して恋愛話や官能ネタを創造しようとする傾向は、今も昔も変わらないのかもしれない。

ひょっとしたら「劇団の座長が太ったロリコンスケベ」プラス「立場の弱い少女歌手」という設定は、「美人秘書との不倫」とか「奥さん米屋です」なんかよりもはるかに古くから浸透していた、世界共通の官能ネタなのかもしれない。