食品の中の昆虫

不二家によれば、菓子の中に入っている蛾を食べても、健康被害はないらしい。

そういえば私などは、年がら年じゅう昆虫を食べている。無農薬野菜を自家生産している事情から、いつも昆虫だらけのレタスほか、青野菜を食べているのだ。確実に葉っぱを洗っているつもりでも、食卓に並んだあとで、ひと皿あたり二、三匹は発見する。当然、気づかずに食べてしまっているものもあるというわけだ。

それは蛾になる前の幼虫であったり、テントウムシみたいな丸っこい昆虫であったりする。尺取り虫を箸でつまんで、食卓の中央に置いていたぶって遊ぶことなど日常茶飯事の光景だ。

でも一応、私としてはあまり昆虫を食べたいとは思わないので、確認しながら食べることにしている。葉っぱを一枚チェックしては口に放り込み、また一枚チェックしては口に放り込む、ということを繰り返す。

この昆虫チェック、もう慣れっこになってしまった。さすがに何年も昆虫入り野菜と付き合っていると、毛虫の一匹や二匹を見つけたところで驚かなくなる。ちょっと手強いのは、足の速いムカデを相手にするときくらいだ。アレは箸で捕まえにくい。

ところが、最近はちょっと問題が生じてきた。食事のときに野菜をチェックすることが癖になっているので、外食で生野菜を食べるときに、思わず同じことをしてしまうのだ。

生野菜はドレッシングで味付けされているのが普通だが、ドレッシングにはシソのかけらだとか、ゴマだとかが入っている。これが家で見かける昆虫そっくりで、見かけるたびに「判別」しようと野菜を睨み付けてしまう。

そんなとき、店に一緒に入った連れの人間に「レタスをまじまじと眺めちゃって、なにやってんの?」と聞かれる。そりゃあんた、昆虫がいないかどうかチェックしてるんだよ!と正直に答えると、微妙な笑みを浮かべて首を傾げられてしまう。そうして変な奴認定してくれる友人が増えるだけならまだマシで、もし店員にこの行為が見つかろうものなら、えらい失礼になるだろう。

育ちの悪さはこういうところでバレる。皆さんは外食で昆虫ウォッチングなどしないように!