たまに食う菓子

チョコレートに関する知識で競い、「チョコレート女王」を決めるテレビ番組がやっていた。もうすぐバレンタインだからだろう。

毎年、バレンタイン関連の番組を見るとチョコレートが食べたくて仕方がなくなる。今日のような番組を見ると「明日にでもチョコレートまとめ買いしてみようかなぁ」なんて気にさせられる。実際に買い込んだことはないのに。

昔から私には、菓子や酒の類を「つい我慢してしまう」癖がある。菓子を自分で購入するのは一ヶ月に一度程度、それも眠気覚まし用のガムなどが多く、甘いものが中心になることは少ない。喫茶店や料理屋では、コーヒーや普通の食事ばかりを注文して、デザートの類を注文することはほとんどない。たまに食べる菓子や酒がうまいので、その時のために「気分を溜めて」いるらしい。

で、そうして「気分を溜めた結果」が、バレンタイン直前になると出てくる。無性にチョコレートが食べたくなるのだ。だから今こそ味わうチャンスなのである。

だけど、ここはしっかりと思いとどまりたい。バレンタインの前後に、チョコレートを大量に買い込む男というのはかなり情けない気がしないか。もちろん、こんなところで自意識を発揮しても仕方がないとは思うのだが、世間様に開き直っている自分に侘びしさは禁じ得ないだろう。

だから、本来ならいつもの我慢が実を結ぶはずの二月に、さらに大きな「我慢」が重なる。バレンタインが終わったら、今度は普通の「我慢」に戻ってほっとする。

で、こうして一年が過ぎ去っていく。これを長年にわたって繰り返してきたわけなのだが。なぁに、来年こそは、と楽観視してきた結果がこれだ。

そろそろ吐き気を催すほどの甘味が、健康に害を及ぼす歳になりそうです。人生甘くない。