イタ電対策

私の部屋に、無言電話がちょこちょこかかってきている。

いずれも同一犯ではないかと思うのだが、興味深いことに定期的にかけてきているらしく、電話の記録はそのように残っている。平日、週末、昼、夜に。明け方はないので、たぶんその時間帯に寝ているんだろう。いやあ、モテる男はツラいぜ。

で、ちょっとネットで調べたところ「お経を聞かせると掛けてこなくなる」という情報が出てきたので、お経の音声データを手に入れて待ちかまえているところだ。

待ちかまえているとかかってこない……。

(犯人は運が悪い。私の電話はFAX専用なので、ほとんど受話器は取らないのだ)


だいぶ昔のことだが、一度だけ無言電話の向こうの声を聞いたことがある。留守電に残っていたのだ。私があまりにも電話にでないものだから、痺れを切らしてひと言だけ捨て台詞(のようなもの)を残していったらしい。

その時のセリフ。「だめだなぁもう」

ちょっと伸びのある、舌足らずにも取れる少年声でした(聞き手によっては「らめらなぁ」に聞こえるかもしれません)。変声期を経た後の低音で、中学生か高校生くらいの男の子と思われます。

はたして、このセリフにはどのような意味があるのか? 少年は何を思いこの言葉を残したのか?

完全に無言の時は一向に気にならなかったが、こうして謎の音声としてメッセージを残されると、私もちょっとばかり興味が沸いてしまう。

うーむ、ダメだなぁもう。いったいこの言葉は何を示すのだろう。

ちなみにそのメッセージが入った後はしばらく無言電話がかかってこなくなりました。……やっぱり「あきらめた」というだけの意味なんでしょうか。だったら「あきらめた」「まいりました」「降参します」くらいのセリフを残していって欲しい。