法則を繰り返し見せることにより攻略性を高める

今日はだいぶ当たり前の話をします。

繰り返し同じ法則を見せることで攻略法を作る

ゲームの中で、プレイヤーに繰り返し同じ法則を見せていくとひとつの攻略法が確立する。

たとえば道を歩いていて、信号機と左右への分かれ道にぶつかったとする。信号機に赤いランプが点灯しているとき、右へ進むと有利な展開が待っているという法則は、何度か繰り返していれば習得できる。ゲーム中盤から、プレイヤーは赤信号が灯っているとき自然と右の道を選ぶようになる。

こういった攻略法をたくさん盛り込んで、ランダム勝負を減らす。すると論理的な攻略ゲームになる。攻略法を習得したプレイヤーはミスをしなくなり、スムーズにゲームを進められるようになる。このようにプレイヤーの経験で勝負させるゲームもゲームのひとつ。

完全ランダムゲームもゲームのひとつ

一方、AIを持たないランダムなだけのジャンケンゲームは勝率が永遠に3分の1である(あいこ、敗北と同等の確率)。

これもゲームになりうる。ランダムで勝敗が決まるのだからプレイヤーの入力動作が無意味という話もあるけれど、プレイ最初の一回目はそれがランダムであろうと法則があろうと無関係だ。そういうゲームがあってもいい。

こういうことを忘れそうになる

なんだか当たり前の話をしているような気もするが、これらをきちんと意識して作られているゲームってどれほどあるだろう。人のゲームを参考にしたり、常識非常識やリアルさを意識しながら作品を作っていると、こういう基本的なことを忘れがちになる。真似したり正しいことにこだわろうとするあまり、合わせることに一生懸命になってしまって、自分がゲームを作っているのだという自覚をなくしてしまうのだ。

攻略法を何度か使えるようにする

長丁場のゲームでは、習得した攻略法をゲーム途中で何度も使えるように仕込んでおくのが常道なんだろう。先の赤信号の分かれ道について言えば、同じような分かれ道を何度もゲーム途中に登場させることで、プレイヤーに正解の快感を与えるのだ。

で、ときおり新しいパターン(新しい攻略法が必要な分岐)を見せて飽きさせないようにする。RPGやアクションゲームはそういう勝負を連続させることで作られているのかもしれない。(付け加えると、アクションゲームの場合は「スピード」の概念が加わる。同じ攻略法を持つ敵キャラクタでも、ゲームが進むにつれて速度が上がっていくゲームを昔よく見かけた。)

一回しか使えない攻略法だと、ゲームをはじめからやり直さないと過去の経験を生かせない。攻略性のある分岐は、ひとつのゲームの中に繰り返し盛り込んでおくのがお約束なのかもしれない。

そういうことを最初から終わりまで意識して何か作ってみたいなあ。そんな機会が訪れるものやら。ゲームはエンターテイメントなので、最近だととりわけ演出やキャッチに目が行きがちだ。作り手としては忘れないでおきたいことがある。