大量にフロアが詰まったゲーム

昨年末、とあるテレビ番組の出演者が九時間かけて『カイの冒険』をクリアしたという。生番組でこれをやった結果、当初三時間の予定だった番組を六時間延長して明け方に終わったのだと。

その根性たるや恐るべきものだが、そもそも一本のFCソフトに百ステージもデータが入っているというのも驚きだ。思い返せば「チャンピオンシップロードランナー」は50面、「ドルアーガの塔」は60面、「涙の倉庫番スペシャル」は100面以上ある。データ構造によっては「カイの冒険」に100面あったっておかしくはない。

これは容量だけの問題じゃない。そこまでやる人は少ないだろうに、メーカーがコストを掛けてステージを制作しているところが凄いじゃないか。

私などはどれひとつクリアしたことがないが、昔は不屈の精神がなければクリアできないゲームが多かったということだ。しかもそれぞれにクリアする者がいた。

と、なれば。ワイヤーフレームの迷路ゲームに百フロアぶんくらい詰まっていてもクリアする人はきっといるのだろう。ゲーム内容によっては連綿と続くステージを最後まで渡りきってやるぞと挑戦の意欲を燃え上がらせるプレイヤーもいるということだ。

過去の経験から、Desigeonできちんとイベントを仕組みながら15×15ブロックのフロアを作り上げると、一フロアあたり一日かかってしまうことが分かっている。これをなんとかして、攻略のテンポや制作のテンポに配慮しつつ、いつか百フロアゲームを作ってみたい気がする。

攻略に要する時間は短いフロアで一〜四分程度。長いフロアは何分掛けてもよく、ほんのたまに突破の難しいフロアを見せることが挑戦意欲に油を注ぐきっかけになるようだ。一応、五十階あたりでクリアを見せて残り五十階はオマケフロア……なんて。

プレイしてみたくもあり、作ってみたくもあり。