ザビエルのハゲから学ぶ
フランシスコ・ザビエルといえば頭頂ハゲ、頭頂ハゲといえばザビエルであることはつとに有名である。
中学校の歴史の教科書には彼の肖像画が掲載されていたが、あの頭頂部に波平の一本を書き足した過去を持つ諸兄もおられることだろう。
ところが調べたところによると、ザビエルのあの頭部はハゲではなく、実は宗教上の理由で剃っているだけなのだとか。トンスラと言うらしい。
だとしても私は、そこに一つ、もの申したいのだ。
ザビエルの髪型はハゲならぬ「ハゲ隠し」ではないかと。
男性は歳を取れば頭頂部が薄くなる人が多いわけで、剃ろうと剃るまいとあの部分は薄くなる。だから彼らは、カツラをかぶるなどの防衛策をとらず、「神の教えのまま剃っている」と人々に説いて回り、誰が本当のハゲであるか分からなくしてしまったのではないか。
隠すのではなく、みんなで剃ってしまえば気にならないという逆転の発想。きっと高齢のつるっぱげ高司祭が発案者に違いない。
しかもトンスラは僧侶の証だから、ハゲている人が、神の教えを守り伝える敬虔な信者兼指導者として敬われる。何という前向きな対策であろうか。
我々も、その開き直り精神と発想の切り替えを見習いたいものですな。