セットアイテム・イベントの効果不明・補正前の能力値
diz_ptcさんのブログに、いくつかクエスチョンが挙がっています。
採用が見送られたシステム(「熱↑冷↓2nd 今度は何?」より)
不備の多いところをよく突いていると思います。また、ちょいと興味深いところもありますのでコメントさせてもらいます。
通常能力値を扱う要素
セットアイテムについては私も以前から考えていますが、こいつは結構奥の深い概念だと思います。
セットアイテムについては後述しますが、まだ実現できない(避けたい)という結論です。
剣と盾と鎧をそれぞれ装備すると、「セット装備A」という能力値がそれぞれ1ずつ上がる。その強力な指輪は「セット装備A」の能力が3以上ないと装備できないように設定した…はずなんだけど、剣盾鎧を装備しても指輪が装備できない。きっとこれは「素の能力値」が育ってないとダメっていうことなんだろう
装備アイテムの装備条件についてはおっしゃる通りです。アイテム補正とステート補正は無視します。便宜上、能力値のこの値を標準値と呼びます。
ついでに調べたのですが、標準値は装備アイテムの装備条件以外にも使われています。
キャラクタ作成条件・転職条件
キャラクタを作るときに職業を選ぶことがありますが、ウィザードリィルールだと職業ごとに必要能力値が決められています。ニンジャを作るにはオール17が必要だとかいうアレですね。転職の際にも同じ条件を見ます。
選べる職業は、装備アイテムとステートの影響を受けない値(標準値)で判定します。
転職時の維持
転職したとき、ウィザードリィルールだとレベルが下がってもHPは残す必要があります。このとき転職後に残る値は標準値です。たとえば、ステートによってHP+20%となっているキャラクタでも、転職のときに残すHPは+20%が考慮されません。
ステートが付与されていれば+20%は依然有効ですが、ステートが外れればそれがなくなります。
成長の上限
能力値の成長上限は、標準値で判定します。
たとえば現在のストレングスの標準値が17、シナリオ設定の上限が18なら、あと1だけ成長させられることになります。
ストレングスが1万アップする指輪やステートを装備していても、それはないものとして上限を計算します。
再判定する条件
トラップ等の識別判定や解除判定について(たとえばカルフォについて)。これらのコマンドには、そのコマンドを繰り返し使ったとき、再判定をするか決める項目があります。
再判定を許可するコマンドなら、同じキャラクタがカルフォを使うたびに識別結果が変わりますが、許可しないなら、一度判定した結果はある条件を満たさない限り変わりません。
ある条件というのは、レベルもしくは能力値が変わったときです。再判定するかを決める判定に標準値を使います。たとえばパイエティでカルフォ判定をしている場合、パイエティの標準値が変化した後なら(つまり成長した後なら)、カルフォの結果が変わることがあります。これはキャラクタと対象物件の組み合わせごとに記憶しています。
アイテムを付け替えてカルフォを使っても結果は同じというわけです。
宿屋病院の価格計算
宿屋病院では、キャラクタの能力値によって料金を計算することができますが、この計算には標準値を使います。
セットアイテムの難しさについて
私は、どこかのテーブルトークRPGのルールにあった「プレートをセットで装備すると防御力+1」とか、花札の「猪鹿蝶」のようなセットボーナスは使えそうだと思っています。こいつはコレクターズ魂を刺激する要素でもあるので使い出があると思います。
ということで考えてはいるのですが、需要は少なそうなので先送りしていました。
やり方としては「能力値の合計値で判定する」より、きちんとアイテムの組み合わせを定義できる仕組みが欲しいところです。
能力値のカウントでやる手もあるのですが、どんな仕様にしてもトラブルを招きやすいと思いました。一つには指摘があった通り、アイテムの着脱で条件を満たさなくなる装備が他方に出てくる恐れがあることです。戦闘中にアイテムが壊れることもあります。
対策として着脱時に他装備の条件をチェックする手もありますが、ここにも問題があって避けた方がいいと考えています。たとえば以下のような場合です。
- 手で装備Aを外す
- 自動的に装備BとCも外れる
- ふたたび装備Cだけ装備条件が満たされてしまった(装備Bが外れたことによる)
- 装備Cは再装備すべきかすべきでないか?
装備Aが外れた瞬間にBとCの条件を満たせなくなり、自動的に外れるとしても、Bが外れればCだけは装備し直せるかもしれないのです。これはBが条件の能力値をマイナスにしている場合です。
あるいはBかC、片方だけならAがなくても装備できるのかもしれません。この場合、優先度が不明瞭です。
装備BとCが一緒に外れてしまうことに問題があると判断するシナリオ作者が現れた場合、能力値のカウントを利用した計画はアウトです。
こういったことがあるので、やむなく装備アイテムの「必要能力値」については単純な使い方のみを想定しています。セットアイテムは別の手を考えねばなりません。
いろいろなパターンを考え始めると奥が深いというかきりがないというか。
補正前の能力値と補正後の能力値の表示
普段使う能力値の値と、ステートなどの影響を外した標準値を両方表示したいという願望です。
これ、Desigeonに限らず普通に商業のゲームを遊んでいても欲しいと思うことがあります。邪魔なこともある。
補正された能力値の右とかに括弧書きで素の能力値が表示されれば(例えば20(15)とか)個人的にはありがたい
以前はそういう形を検討していたのですが、この機能を標準にしてしまうと表示が横長になりすぎる恐れがあるので組み込まない方向で考えていました。
今ある画面表示やメニュー操作の不自由さは、名詞に関する文字数が自由すぎるところに起因しています。
ですのでやはり、画面構成をシナリオ作者が指示する機能が欲しいところですね。どの情報が必要かというのはシナリオ作者ごとに違うので。
イベントの効果
能力値を上げる方法がよく分からない
あっ……。
機能がありませんでした。今あるのは回復させたりダメージを与えたりするものだけです。
イベントはちょっと整理します。
「能力値経験値振り込み」「能力値素質A(B)振り込み」「変動/段階値に値加算(これはHPとかだと思うけど)」の挙動がいまいち分からず
編集ツール側のイベント窓の表示が古いままですね。「状態」とか昔使ってた用語がそのまま残ってる。(説明をどこかで付けなきゃのう)
素質ABは需要があれば残しますが、今の考えでは廃止予定です。
素質ABの効果は、必要経験値の基礎値(素質B)、それと倍率(素質A)に値を足すというものです。昔はこの二つを素質ABと呼んでいたのです。
必要経験値の基礎値や倍率を変えると、キャラクタごとに成長の速度が変わることになります。素質を弄ったら以後ずっと有効なので、わけの分からないことになるかも。
能力値経験値は、今は無意味です。能力値ごとに経験値を持っている点は昔と変わらないのですが、レベルと同じように成長の設定ができないので調整が利きません。これもいったん廃止かなあ。
「変動/段階値に値加算」はたぶん、想像されている通りです。HPに20を足すならHPが20回復します。段階なら、全段が20回復します(何段目を回復させるかまでは指定できません)。