Win版A4の高速化ツールのおまけ話
Win版『A列車で行こう4』の高速化ツールのおまけ話。今さらなゲームですが、忘れ去られた頃にする話は大好きです。前回の記事はhttp://d.hatena.ne.jp/kumashige/20071107/1194385897。
以前ツールを公開したんですが、本当はもっといろいろやりたくて、いくつか試したことがあります。訳あって高速化の機能のみになりました。
いくつか試したのが以下でした。
資金の上限に関する不満を解消する試み
A4って資金を21兆円までしか記録してくれないですよね。
上限を超えるとオーバーフローして、巨大な借金を抱えて倒産してしまう。
それを何とかできないかと考えたのです。で、実際にやってみたのが、
資金が指定額を超えたら自動的に預金してみる
寝かせておいたら預金が26兆円になっててウハウハ。
という機能でした。
資金に上限を設けて、たとえば20兆円に達したら1兆円を自動的に、どこかに預けるのです。「どこか」の部分はツール側が持つメモリです。預けた金はいつでもゲームに戻せるようにして。
これを使うとゲーム中、いきなり資金が1兆円減り、ツール側の貯金額が1兆円増えます。
でも欠点があります。預金残高をセーブデータごとに管理しないと役に立たないのです。
実際にやってみましたが、セーブデータとセットで預金残高を管理するのは難しくて、セーブデータの中に空きエリアを探す必要があると感じました。2バイトでも空いていれば65535兆円まで保管できるのに。
株価の監視が面倒くさい不満を解消する試み
A4の株取引で利益を得るには、株価を随時チェックする必要があります。
でもこれがまた面倒くさくて、街の発展や整備に時間を掛けているときに、いちいちトレーディングウィンドウを開いてチェックしていられません。
そこで、全銘柄の株価を監視して、自動的に売買する機能を試しました。以下のような感じです。
トレーディングウィンドウを開かずに、株取引をオートマチックでやってみる
一定額を超えれば全部売って、一定額を下回れば限界まで買うのです。
実際にやってみたのですが、株の自動取引は凄まじい利益を上げるので、ゲームバランスもへったくれもなくなります。
ただ、この不労所得を極限まで追求するのも、A4らしいかもしれません。
貸しビルと株式の運営ゲームになってしまう不満
この問題、PC版が顕著のようです。
街の発展のためには貸しビルと株式の運営ゲームにならざるを得ない
- 鉄道は利益率が高いが、絶対額がとても少ない
- 数百億円規模の利益を得るのに長い時間がかかる
- 子会社は貸しビルと展示場のみ莫大な利益を上げる
- ただし展示場は競合による利益低下があるので数を建てられない
- 子会社の利益が小さいのは、資産評価額が高すぎるため
- 株取引による利益が莫大
高速化ツールを使わないと、鉄道の利益のみで繁華街を作るには、数日間のPC寝かせプレイをやるしかないです。
異様に高い子会社の資産評価額を何とかすれば、株取引で面倒くさい商売をせずに済むのです。それに、街が超高層ビルだらけになるのも防げます。
しかしこの問題はまだ、解決する方法を思いついていません。A4の資産評価ロジックに手を入れるのは難しいです。
結局、資金調達は株に頼り、超高層ビルを意識して建てないことを心がけないと、いろいろな街を作ることができません。
(子会社の格差問題ですが、空港・新幹線・リニアを導入し、時間が経過すると少し解消されます。特にマンションは急に儲かるようになります。でもその頃に解消されてもねえ)
バグ
致命的なリソースメモリリーク
XP対応版は試していません。XP対応版なら解決しているかもしれません。
- しばらくゲームを遊んでいると、ある時いきなりアプリケーションが落ちる
- 対策は、定期的にA4を再起動すること
旧Win版のA列車で行こう4には、ゲームの中でリソースメモリを解放しない問題があります。
しばらくゲーム内のウィンドウを開けたり閉じたりして遊んだ後、タスクマネージャでGUIオブジェクトの数を見て、千を越えてもどんどん増えるようならいつか落ちます。
1アプリのGUIオブジェクトの数が約1万に達すると、Win2000/XPの仕様によりアプリが正しく動かなくなります(この上限はレジストリで変更できますが、確かデフォルトが最大だったような)。
「寝かせプレイ」をする場合は注意が必要です。
税金の計算が正しく行われない
A4の資金には21兆円の上限があることは周知ですが、実は資産評価額の合計にも計算上の上限があるのです。
資産評価額の合計が約21兆円を超えると税金の計算がオーバーフローして、固定資産税がかなり安く計上されることになり、実質ゲームが破綻します。具体的には、
固定資産評価額の上限=21兆−資金−株式評価額
という式で固定資産評価額が制限され、それによって固定資産税が決まります。
資金や保有株式が増えるほど税金が安くなる、というとんでもない挙動です。ものすごい金持ち優遇政策です。
資産評価額の上限は資金よりもずっと厳しいです。実は資金の桁あふれよりも、税金計算の崩壊が先に来るのです。その時点で経営ゲームとしてのロジックは滅茶苦茶になっています。
おかげで、ある時から急に資金が増えやすくなり、唐突に桁あふれしてゲームオーバーになります。
ゆえに、清く正しくゲームを遊ぶには、増えすぎた資金を外部的な方法で減らすしかありません。そこで上限の半分、資金が約11兆円を超えたら1兆円はどこかに預けるようにします。
できれば資金リミットはもっと小さい方がいいです。というのも、プレイヤーの子会社を超高層ビルで埋め尽くして好景気を迎えると、固定資産評価額が14兆円を超えます。ですから資金のマージンはもっと小さいのです。6兆円とか、そのあたりで妥協です。
ということで上の自動預金機能を試したのですが、セーブデータの問題であまり使えないという。