SLGで疲れる理由、疲れる選択肢は中断も中毒も呼ぶ
ゲームにおいて、疲れる選択肢というものがあることを発見。
以前、私が書いた記事の中に、コーエーのSLGを遊ぶと疲れてよく眠れるという話があったんだけど、その理由が最近、少し分かった気がしました。
ゲームを遊んだ後で気づくこと
効率を求めて次の行動に悩み、決めきらないときに疲れるみたい。
SLGはコマンドを入力し、決定ボタンを押すまでゲームが先に進まない。しかも同時に選べる選択肢が無数にあって、今月は何をしよう内政やろう人材登用だアイテム探しだ兵力増強だ、さぁどれを最初にやろう……と、とにかくいろいろ浮かんでしまい、コトの優先順位を定めることに頭を使う。たいがい、ゲーム時間的に制限がくっついているので(主人公に寿命があるとか、モタモタしてると敵が強大化するとか)、効率を考え始めて疲れるのだ。
あらためて書くが、考えただけでは先に進めないのがSLGというゲームだ。決定ボタンを押さないとゲームデータが何も書き換わらない。決めたあとは短い時間で結果が出るが、決めるまで時間がかかる。
アクションゲームは時間内の入力が強制されていて(考えていたら負ける)、RPGはSLGより選択肢が少なく時間的制約がないものが多いから、効率をあまり追求しない。たぶん、アクセスできる情報量を多くして時間制約を付けると、どんなゲームでも疲れる。
このことは、作業ゲーと中毒ゲーの狭間で作品を作るときのヒントになるかもしれない。
頭が疲れすぎたと感じたとき、私はSLGを投げ出してしまう。そして、この手のゲームは間が開くと前回プレイ時の記憶が曖昧になってしまい、まず続きをやらなくなる。それがゲームの寿命になる。封印しておいた情報量があまりにも多いので、再開するには重すぎるのだ。
疲れるのは、効率を考えること自体が「作業化」するときでもある。何しろ、ゲームを通じてほぼ全時間帯、効率を考えておきまりのコマンドを入力し続けるのだ。RPGで戦闘を繰り返すことも作業だが、コーエー級のSLGでは同時入力可能なコマンドの選択肢数が半端なく多い。武将リストを開けば数百人の能力値がズラッと並ぶ。どれにアクセスするかは自由で、そのリストを使って、効率を求めてめぼしい人材を捜したりするわけだ。作業化しないわけがない。
昔から高級作業ゲーとして君臨してきたコーエーのSLGだが、作業ゲーであると同時に中毒性があるという点は見逃せない。全国統一を成さず、途中で投げ出してしまうことが分かっているのに、つい遊んでしまうあの魅力はいったいどこから生まれているんだろう。