RPGにおける金ルールの是非
RPGの多くは、主人公が最終的な敵を討ち滅ぼすことを目的として行動するゲームである。
しかしなぜか、経済に関するルールが金(資金、小遣い)という形で使われていることが多い。お金の使い道が多岐にわたるゲームであるなら、そこはルール化してもかまわないと思う。だけど、せいぜいお店で必要物資を調達するくらいしか使い道がないにもかかわらず、金を省略しているRPGは少ない。
無駄な情報を設置してもゲームをつまらなくするだけなのに、なぜかRPGではプレイヤーに金のやりくりを課すのだろう。
そもそも金のルールとはどのようなときに必要で、どのようなときに不要だろう。
成功体験がないとゲームは面白くない、という前提が必要だけれど、金ルールが欲しい場合について私は、以下のように考えている。
- 商人ロールプレイが可能な場合
- プレイヤーが金のやりくり上手であることを感じることができる場合
- 成長の進捗レポート。経験値のような数値化した目安が他にない場合
反面、以下を満たすと金ルールはゲームにとってマイナスである。
- 長い金欠が続き達成感を得にくい場合
- 金が不足することがほとんどない場合
ウルティマオンラインには商売の仕組みがあり、金を増やすことに魅力があった。金を目的にしていいゲームであったように思う。
しかしディアブロでそのような運用は難しい。序盤の金欠と、終盤には持ちきれないほどのお金を捨てて過ごすという、つまらない感覚ばかりが残っている。中にはネット取引を行った人もいるだろうが、アイテム交換がほとんどで金銭でやりとりする例は少数だったろう。
ドラゴンクエストでは、持ち金で「鉄の斧」を買うか「鉄の鎧」を買うか迷い、プレイヤーは買うことでほっとする。やりくりの面白さと達成感を同時に与えるため、わりといいバランスで計算されていた。とはいえ、あまり強い達成感ではない。買って“ほっとする”レベルだった。ドラゴンクエストシリーズでは「カジノコイン」と「小さなメダル」の方がゲーム的な価値があると私は感じている。DQシリーズの金は、ないよりはマシだったという印象だ。
金ルールを採用するなら、その意義を考えながらにしてみるのが良いかもしれない。必要性が低ければバッサリ切ってしまうのも手だ。