Scarlett (スカーレット) (18禁)

18禁ADVの紹介。『スカーレット』は、ねこねこソフト最後の作品と銘打たれていたため、発売前からチェックをしていた珍しい製品である(ちなみに私は他の同社製品をプレイしたことはない)。
といっても、メーカーが解散するとのことなので、今回の紹介はあっさりめで。

Scarlett (スカーレット) 初回版

Scarlett (スカーレット) 初回版

ねこねこソフト
http://www.din.or.jp/~nekoneko/

特徴と内容について

  • 諜報活動に従事する裏世界の住人たちの物語
  • 公式サイトには「テンポ良い」「渋めのエンタメ」というコンセプトが記載されている
  • 公式サイトの紹介通りの内容になっている
  • 背景絵が綺麗で枚数が多い印象があり、テンポのいい場面切り替えがあって目を飽きさせない
  • エロよりストーリー重視。性描写は薄く、分量も少ない
  • オマケの情報やミニADVが多い(オマケは、スタッフからのコメントの他、同社の以前の製品に登場したキャラクタを使用したミニADVが中心で、私には価値が理解できなかった。関係なさそうなものもあったが、未確認のものが多い)
  • 基本的にシングルエンディングのようである

で、内容に関しては書かれている通りなのだが、個人的にはじめから終わりまでを通して気になっていたことが一点。

  • キャラクタの絵が「渋めのエンタメ」に似つかわしくない

世の中にはキャラクタデザイナーで製品を選ぶ人も多いようなので、商業的な善し悪しはともかく。

絵のタッチが優しく色合いもアッサリしすぎていて、絵という視点で見ると渋さが弱い。オトナの事情や欲望が絡む駆け引き、銃器や軍用航空機、軍艦が登場する世界観であるにも関わらず、そこから来るはずの緊張感が得られなかった。

まぁ、絵は絵、というとらえ方もあるとは思うが。

…と、このあたりは漫画の『ゴルゴ13』や架空戦記小説などを読んでいる人間が感じてしまったことなので、一般には当てはまらないのかもしれない。

全般的には紹介されている通り。

音声は無しでプレイ

いつものことなのだが、音声はゼロに下げてプレイした。珍しいことに音声をON/OFFする機能そのものはなく、声を聞きたくない場合は音量をゼロに落とすことで対応する。

効果音はオンにした。音量のバランスが悪く、BGMを下げ、効果音を上げて実行。多少迫力が増しただろうか。

脇役として登場したオバさんの声が一部効果音の扱いとなっていて、音声の音量をゼロにしたにもかかわらず、どうでもいいキャラの声だけが聞こえたり。

体験版では音量を変更する機能が存在しなかったため、唯一登場した少女キャラクタの「しずか」の声だけは聞いたことがある。あとのキャラには声のイメージがない。

読後感

これはコメントを控えようかと。どちらかというと“最後を楽しむ”目的で作られており、同社ファン向けの要素が強い印象は拭えない。“今年のお勧めゲーム!”と宣伝ぶるような作りにはなっていないのだ。

その他

ゲームに関するスタッフのコメントに「面白いかどうかは分かりませんが」という記述があったことは意外に思えた(あれは体験版だっただろうか?)。市販ゲームにスタッフ自ら、“面白いかどうか分からない”という言葉を盛り込まれたら、購入者の我々はどう捉えたらいいのだろう。

あんたプロだろっ!自信がないものを買わせるのか?というツッコミを入れたくもなるし、控えめですね、と軽い敬意を抱きたくもなる。いずれにしても、こういう意外性のある言葉は好きではあるが。

最後に、お疲れ様でしたと申し上げたいと思います。