マニュアルで用いる用語を決めておく必要がある

ゲーム内の用語定義は重要な課題だ(重要といっても、読者の方が配慮するようなことではありませんので、適当にお聞き流し下さい)。

ゲームのマニュアルなどでは、呼称は、きちんと統一して用いることが望ましい。一つのものに対して複数の呼び名を使用してしまっては、利用者が混乱を招く。

たとえば、「アイテム」と「道具」という語。もしこの二つの言葉がマニュアルの中で、同じ意味を表すのだとすれば、使用するのはいずれか片方に統一した方がいい。

Desigeonはこれまで、ゲーム内の要素に暫定で呼称を割り当ててきたが、いずれマニュアルを本格的に作成し始めると、名称が変更されたあとで、置換作業を行うことが面倒くさくなる。

編集ツールをアップする時期に合わせて、整理しなければならない。

スキルとアクションとコマンド、呪文と魔法

Desigeonでは、戦闘などで使われるコマンドのことを、「アクション」と呼んでいた。

しかし、なじみがあるわけではないので(名前に思い入れがあるわけでもないので)、変えてもいいと思っている。どうやら「スキル」という呼び名が一般的のようだから、そちらを採用してみてはどうだろう。

しかし、「スキル」は別の問題が生じる。Desigeonでは、能力値の区分として使用してきた言葉からだ。ウルティマオンラインの影響が強いDesigeonでは、基本以外の能力値のことをスキル値と呼んできた(あくまで便宜上の区分の話で、特別な機能を備えた能力値ということではない)。

実はアクションという呼び名は、スキルという呼び名が使えないという理由で割り当ててみた言葉だった。だが、どうにもしっくり来ないのと、画面のスペース上、もう少し短い名称の方が便利だろうという気持ちを持ち始めている。

ということで、能力値呼称としてのスキルは取りやめて、コマンドとしてのスキルを採用する……方向に向かいつつある。スキルに区分していた能力値については、「追加能力値」とか、当たり障りのない名前になりそう。

呪文だとか魔法だとかいった概念は、システム定義の段階にあるDesigeonには登場しないので用いない(シナリオ定義のときに制作者が考案する)。

PC(プレイヤーキャラクタ)

PCはプレイヤーキャラクタの略だが、パーソナルコンピュータを思い浮かべる人も多いことと思う。しかし、PCは代替えの言葉が思い浮かばない、難しい用語である。

プレイヤーキャラクタはプレイヤーキャラクタなのだ。しかし連呼すると長すぎる。だからPCという呼称を頻繁に用いている。今のところ、このまま使い続けざるを得ない。

一応、他に何かいい名称はないかと探っていたら、「アバター」という用語を見つけた。アバターには分身という意味があるらしい。個人的にはなじみが薄いが、世間で使われているなら採用には値する。しかし、やはりどうにも取っつきが悪いので採用をためらう。

PCとは別に、NPC(ノンプレイヤーキャラクタ)という呼び名があるが、こちらはとても使い勝手がいい。PCは、NPCと区別する目的で用いられる語句でもあるので、PCはPCで使い続けることになりそう。

エネミーとモンスター

「モンスター」とは怪物のことをさす。そして多くのRPGでは、敵キャラクタがすべて怪物という扱いになっているから、敵のことをモンスターと呼んでも差し支えはない。

しかしDesigeonでは、怪物が敵になるとは限らない。シナリオの世界観に依存する。よって汎用目的で使える「エネミー」(敵)という語を採用している。

ただし、サンプルゲームでは例外だ。サンプルゲームの中では世界観が確定しており、敵をモンスターと決めつけることができるので、モンスターという語を用いている。

(また便宜上、当雑記ではエネミーのことをモンスターと呼ぶことが多い。「エネミー」はツールとマニュアルの中での統一語句ということだ)

状態とステータス

「状態」とは、キャラクタに付与されている石化とか、毒とか、麻痺といった保持設定を表すフラグ情報のことだ。Desigeonでは状態と名付けてきたが、これには使いづらさを感じている。

状態という言葉は、単にゲームの専門用語としてではなく、一般的な語としてよく用いるのだ。Desigeon関係の文章を書くときに、混乱を招きやすくて困っている。

ということで、「ステータス」という名で妥協しようかと思っているのだが、いまひとつ踏み切れていないところだ。

「ステータス」の名称には問題があって、たとえば文章の中で「主人公のステータスが……」などと語るとき、それは石化フラグのことを指すのではなく、主人公の性能パラメータ全体を指すことが多い。だから、混乱を招かないためにも、できれば別の名称が欲しいと思っている。

実は思い切って「ST」という名称にしてみようかとも思ったのだが、STは、ウィザードリィの中ではストレングス(Strength)の略として用いられる。

ステータスフラグの略、SFなんてのもまた別の誤解が生まれそう。そもそも、Desigeonのステータスにはさまざまな情報が含まれているので、わずか1ビットの情報しか連想させないフラグという表現は相応しくない。

「コンディション」という語もある。しかしコンディションは「条件」という、これまた代替えの難しい意味を含んでいるため将来的に都合が悪かったり、利用者になじみが薄かったりする。なんといっても名前が長すぎる。

結局、「ステータス」あたりで妥協せざるを得ないか、というところである。先に挙げた「主人公のステータスが……」という内容を書くときにはステータスという語を用いず、「主人公のパラメータが……」という書き方に統一すればいいだろう。

能力値とアビリティとキャパシティ

キャラクタの性能を意味する語として、現在は「能力値」という言葉を使用している。しかし、この言葉が重く感じられる。文章に埋め込んだときに読みづらいのだ。

ということでだいぶ前に調べたところ、ファイナルファンタジーが「アビリティ」という用語を使用していて、これが目に留まった。普及率が高いならこれにしたい。

結果、Desigeonで定義しているアビリティの種類は、通常アビリティ・変動アビリティ・段階アビリティになる。少し読みやすくなった。

他には「キャパシティ」という語もある。キャパシティはどうも、もっと広い意味で使われていることが多い気がするのだ。キャパシティがいいかなぁと思った時期もあったのだが、文字数が多いしアビリティの方がベターかな。他には、ウィザードリィが「特性値」という語を用いているが、これも能力値と同じく、文章に埋め込んだときに重い感じがする。

ということで、できればアビリティに名称変更したいなぁ、なんて思っているところなのだが。一般的な語句になっていないと制作者が嫌がるかね……。

能力値はもっとも重要な語句だから、早めに決めた方がいいだろうなぁ。

装備品と装備アイテム

「装備品」という語と「装備アイテム」という語を、つい同時に使ってしまう。直さねばならない。

ゲーム内での仮想所有物のことは、「アイテム」と総称することが確定している。だから、装備するアイテムのことは、装備アイテムと呼ぶべきだと思う。

カタカナとアルファベット

ウィザードリィ」を、ウィザードリィと書くべきかWizardryと書くべきかウィズと書くべきか。これもできれば、統一すべき方針の一つだろう。

全体としては、カタカナのフルネームで統一するのが妥当かな。

ドラゴンクエスト」をDQと書くべきかドラクエと書くべきか、はたまたドラゴンクエストと毎回書くべきか。これはドラゴンクエストがいい。当雑記では略してしまうが、マニュアルではきちんと書くべきだろうなぁ。

ファイナルファンタジー」は長すぎる。だけど、ファイナルファンタジーを「FF」と略すと、ゲームブックの「ファイティングファンタジー」とかぶる。私が書く記事にはゲームブックがよく登場するし、ゲームブックの方が先に流行した媒体であるから、「FF」を用いる際は、記事の頭で「ファイナルファンタジー(以下FFと略す)」みたいな記述を入れる必要がありそうだ。他の略し方として「ファイファン」なんてものもあるようだが、こちらはなんだか、小中学生が世間話をしているみたいで取っつきが悪い。

ウルティマオンライン」は長いので、UOじゃダメだろうか……。でも、知らない人にUOと言ってしまうと、間違った想像を植え付ける原因になるだろうなぁ。PSOのことを「プレイステーション・ゼロ」だと思っていた私と、似たような勘違いをするに違いない*1

ルナティックドーンディアブロディープダンジョンブラックオニキス……。このあたりはそのまま書いてもいいかな。

世界樹の迷宮」は、SQだとかセカキューだとかに略すらしいが、はっきり言ってPSO並みに分かりづらい。だから世界樹の迷宮でOK。あえて略すならSMかな。……え!?

*1:恥ずかしながら私、はじめPSOのことを、プレイステーションの派生品だと思っておりました。これはきっと、OIOIをオイオイと発音した上、赤くて目立つので、災害時の緊急脱出路か何かを表す標識だと思っていたのと似たようなものですね。似てないですか