RPGなどでお宝をゲットするときの喜び・その2

ドラゴンクエストのMPは、「マジックパワー」の略で、マジックポイントではない。そういえば昔、誰かに指摘されたことがあるが、長らく忘れていた。


さて、今日は話の続きを……。

お宝を得て喜ぶ瞬間と、その経緯。

  1. パラメータゲームで、未知のアイテム、それも現在所持しているものより性能的に優れたアイテムが出現したとき
  2. 迷路奥深くにて、セーブできない状況で、パーティが消耗しきり、全滅しそうになっているとき、「薬草」など食いつなぐためのアイテムが出現すると、救われた気持ちになる
  3. 迷路で宝箱が見つかったとき、自分の役に立つ物が入っていることが期待されるとき
  4. 「福引き」や「くじ」で、いい賞品が当たることが期待されるとき
  5. 宝の山を見つけたとき、それを物色している間が楽しい
    • 宝の山というのは、文字通り金銀財宝の山を見つけたときや、大量の宝箱が並んだ部屋を見つけたとき、など
    • コンピュータRPGでよくあるのは、財宝の山の中身がゴミだらけで、かなり役に立つアイテムがごく少数隠れている、というケース
  6. 効率よく希少品を入手できるエリアを見つけたとき
    • 宝箱に隠されておらず、目に見えていること
    • たとえば、珍しい花や、希少な鉱石など、本来は世界中を旅しなければ見つけられないものを、一箇所でまとめて入手できること
    • 持ち帰れないくらい大量にあると、プレイヤーを悩ませることができる
  7. オマケとして実装されている「大会」の優勝賞品、ミニゲームの景品など。頑張ればいいものを貰えることが期待できるとき、本編シナリオをほったらかしにして、のめり込んでしまう

1.性能的に優れたアイテムの出現

シナリオの進行に合わせて、徐々に性能の高いアイテムを登場させていくことは、ほとんどのゲームで恒常的に行われている。

性能や出現時期が予測できないよう、突発性を高めるようにすると、効果が高い。

以下は効果を薄めてしまう例。

  • シナリオの進行にしたがい、出現するアイテムの性能が比例上昇していくことがプレイヤーにばれていると、期待感が薄れる
  • 必ず武器と鎧をセットで登場させたり、はかったかのように全員分ひとそろいの装備アイテムを提供したりといったことを繰り返して、出現の法則を「定型化」してしまうと、やがて、それらのアイテムを探すことが作業化する

2.危機的状況下での救済アイテム

生きるか死ぬかの瀬戸際にあるとき、回復アイテムが手に入ると大助かりする。

これ、何かに使えそうで、いい使い方が思い浮かばない。回復アイテムのうまい見せ方はないか。

主人公のヒットポイントの低下に応じて、わざとらしく回復アイテムを出したら、それこそ危機感も何もあったものじゃない。

原点に立ち返ろう。そもそもRPGの回復アイテムとは、危機的状況に陥ったときに使うものだ。言い換えれば、危機的状況になければ、回復アイテムは必要ない。そこに回復アイテム本来の魅力を発揮するヒントが隠れている気がする。我々は、「ドラゴンクエスト」あたりから、すでに効率の悪い回復アイテムの運用法を仕込まれてしまっている。

3.宝箱

ゴミばかり出していると、プレイヤーが期待を失い、宝箱に対するミステリアスな印象が失われてしまう。常に「何かいいものが入っているんじゃないか」と思わせておきたい。その気持ちがプレイヤーに残り続けさえすれば、宝箱の中には何を仕込んでもいい。

ドラゴンクエスト3」におけるミミックの急襲は衝撃的だった。あれが強烈な肩すかしになるのは、宝箱に対する期待感がそれなりに高まっていたからだと思う。

4.「福引き」や「くじ」

「福引き」や「くじ」を実装するとしたら。

景品の一部を公開した方が、きっとプレイヤーのやる気が出るに違いない。

(でも、「ドラゴンクエスト2」の福引きは、そうした情報の公開がなかったけど、かなり楽しみにしていたな…)

5.宝の山の表現は難しい

「宝の山」の表現というものは難しい。モンスターが守る宝の山にせよ、宝物庫の表現にせよ。

そうそう、ファンタジーゲームでは定番のドラゴン。よく金銀財宝の上に寝そべっているというイメージで語られる(D&Dの影響か)。

だけど、ドラゴンとの戦闘前に、奴のいる場所が「お宝ぎっしり」であることを感じさせてくれるコンピュータゲームは見たことがない。倒しても150ゴールドくらいしか貰えなかったりして*1、かなりおチープな感じがする。コンピュータゲームのドラゴンは所詮、ザコモンスターの小鬼や吸血コウモリと、扱いが同じなのだ。

そこを、いかにもお宝が積まれています、輝いていますという感じの描写を行うことで、一歩おチープさから脱却できると思うのだ。

その点、ウルティマオンラインのトレジャーハント*2は素晴らしい。財宝の魅力に気づかせてくれる好例だと思う。


ふぅ、こんなところで。

*1:150ゴールドというのは、初代ドラクエに登場する「キースドラゴン」の持ち金

*2:見つけた金庫の中に、きらめく金貨の山が並んでいて、マジックアイテムや秘薬もたくさん入っている