メダルの色いろいろ

テレビの水泳番組を見ながら。

オリンピックに限らず運動競技でもらえるメダルの色にはなぜ金銀銅の三種しかないんだろう。ひょっとして授与を三位までにしておかないと表彰台のバランスが悪くなるからとか、国旗をつりおろす器具を作り直すのが大変だからとか、そういうしょうもない事情だったらおもしろいんだけど。

メダルの色がもうちょっと増えると楽しそうじゃないか。金銀銅に続いて、クロム、スチール、鉄、アルミ、すず、鉛なんかをがんばって加えれば十位くらいまではメダルを貰える。

オリンピックに出場する人が「なるべくいい色のメダルを狙います!」なんてインタビューに応じる場面があるけど、よりたくさんのメダルがあれば、この台詞を言える人がたくさん出てくる。十位くらいの選手でもアルミメダルか、鉄メダルかなんて勝負ができるわけで。駄目ですかねえ。

メダルの色が増えるとアナウンサーは大変かもしれない。

「おおーっとニッポン!前に出た!ゴールが見えたが五位に残れるか!すでに金銀銅はアメリカの手に、残るは鉄か、鉛か、クロムかスチールか、それともスズか!?……やったやった、七位です!日本記録更新!1500メートルに続いてまたも日本が鉄メダルを手にしました!」

鉄メダルを手にした選手。

「コケちゃいましたが、チョー気持ちいい!メダルの色よりも、力を出し切れたことが嬉しいです。自分をほめてやりたい」なんて泣きはらしながら言える人がたくさん出てくるかもしれない。

そして灰色のメダルをガチッと噛んで写真撮影。翌朝、スポーツ新聞の一面にでっかく「鋼鉄の日の丸 日本新!」の文字。

……ショボイ感じは否めませんな。金銀銅の味を知った国民は、やっぱり鉄メダルなんて見たくないんだろうか。