世界樹の迷宮2の不意打ち頓死から考える

(Desigeonと合わせて考える記事です)

モンスターと遭遇した。不意を打たれた。 必殺の一撃! 戦士は死んだ

序盤の世界樹の迷宮2で、すでに何度か経験しているこの流れ。一撃必殺モンスターの不意打ちが多いので、意図して仕組まれていることは確かだと思う。

この手のゲームにおけるメーカー側の「不意打ち工作」に対しては、プレイヤー側には二つの反応がありそうだ。

  1. 不意打ち頓死はランダムで決められてしまうので防ぎようが無く、理不尽だ
  2. 不意打ちはキツイが、防止する方法があるようだ。作戦を練ろう

世界樹の迷宮2の場合、後者を誘うように意図して作られている……気がする、のだ。「戦闘が起きただけでキャラクタ死亡」をなるべく防いだり、「不利になったら逃げる」ため、世界樹の迷宮には「不意打ち防止」「先制率アップ」「逃走率アップ」といったスキルがある。メーカーの意図をなんとなく理解したプレイヤーは、攻撃に力を割かずに、こういう「戦略的な」スキルアップに力を注ぐわけだ。*1

ところが。ところが、だ。そこに力を割かない、あるいは気づかないプレイヤーもいるわけだ。不意打ち防止策を知っていてもどの程度機能するか分からない曖昧さは相変わらずだし、隠し通路を探すのと同様、この手の抜け穴の存在に気づかなければ、遭遇しただけで負けまくって「なんだコリャ!?俺にどうしろってんだ。理不尽だ!」なことになってしまう。

世界樹の迷宮2は、不意打ちが多発することはするのだが、中途半端にイヤラシイ水準で確実に起きる、というのがなんとも煮え切らない。

ゲームにはマージンが要求される。不意打ち防止策を用意してチラつかせていても、それを気づいてもらえるか、魅力的に感じてもらえるかはプレイヤーによりまちまちなのだ。一般的には攻撃スキルの方が華やか(に感じられる)だろうから、消極的(に感じられる)防止スキルより、攻撃スキルを優先するプレイヤーはきっと多いんじゃないかと。

プレイヤーを不意打ち防止に誘うにはどうしたらいいか。どうせなら、不意打ちしまくるエリアを決めてしまったらどうか。

ここを通りたければ不意打ち防止してから来い!

といわんばかりに、不意打ち発生率80%なエリアを作ってしまえと。そこを通りたい人は覚悟して進むか、防止策を立ててから進むに違いない。

不意打ち防止に乗り気じゃないプレイヤーもいるだろうから、そういう人には「不意打ちしなくてもいい抜け穴」を示す。それがないと不意打ち防止が義務になる→最初から習得させとけ、ってな話になるので。たとえば、こちらのHPや防御力が巨大なら不意を打たれてもどうってことないし、不意打ちがまったく起きないエリアを作る手もある。方針はいろいろあるだろう。

プレイヤーの興味や注意力には差があることを踏まえて、選択肢の優位性を露骨にアピールすることも時には必要なんじゃないかな。選択肢や抜け穴を用意するだけじゃなくて、「気づかせる努力」をすることも考えてみようと。そんな話を思いつきました。

アリスソフトのゲームなんかはこの辺、上手ですね。エロゲになっちゃいますが)

*1:パーティ構成の関係で、不意打ち防止スキルを習得できない人がいる話は、今回は別枠とする