戦国ランスからゲームの緊張感や周回性を見る

時間で攻略をせかすゲーム性は代替えが効かないなあ、と感じたお話です。

国取りゲームの戦国ランス(18禁)は、進行をせかすゲームでありながら行動の自由を広く保証するゲーム構造を持っています。制限時間はないのですが、進行を調整するにはコツがあって、うまく操作しないとゲームを終わらせるしかなくなります。

また、ADV的なゲームでもあるのですが、何度も遊ばせるヤリコミ中毒ゲームになっています。

  • 時間を迫る(攻略をせかす)
  • 選択の幅と、進行の解を分かりやすく提示する
  • 周回時に出す追加サービスを累積させる

ちょっとネガティブな言い草ですが、時間に頼ってゲームに緊張感を与えるやり方は、時間を使わないと同様の面白さを出すことができないから採用する、という捉え方もできると私は考えています。

ただ、今のところ私には代替えとなるゲームを見いだせないことと(オンラインゲーム除く)、自分では代案を出せないことから、時間によって攻略を迫るやり方については肯定的に捉えています。むしろ代替えの効かない手法とさえ思っている。

RPGもSLGも、鬼畜王ランス戦国ランスに対抗できるものが他にあればいいんですけどね。進行せかしゲームでありながら自由度が高いものはシルフェイド幻想譚くらいしか経験していませんが、やはり時間制限があって、得点制を採用しています。

緊張感という話に限定するなら、例としてウィザードリィ世界樹の迷宮にあるものは違うタイプの緊張感ですし。周回(エンドレス)への考え方も違うから単純比較できません。棲み分けをしたいです。

ゲームの緊張感を「冗長性を省いたもの」と定義するベクトルの話もあり得ると思っています。このような考え方をした場合、映画や小説などストーリー指向の強いものが冗長性を省きやすい構造を持っているので、映像的なものやノベル的なものを導入することで、RPGやSLGに緊張感をもたらす可能性が広がります。事例としてファイナルファンタジーがそういう道を辿っていきました。冒頭で挙げた戦国ランスもこの属性を持っています。

でもやっぱり時間に置き換わるせかし方は思い浮かびません。案が浮かばないから代替えがないという話ってどうなんだ、と自分にツッコミたくなりますが、本当にいい案がありません。

ランスシリーズは、性的にアクの強いアダルトゲームなので、積極的に取り上げるには抵抗がありますねえ。