冒険旅行感があるマップ

「何故ドラクエIIは名作だったか」というサイトで、FC版ドラゴンクエスト2のロマンを語っている。

http://www3.osk.3web.ne.jp/~jidai/dragon/dq2_why1.htm

この中に、DQ2のマップの広さについて言及がある。

とにかく、広かった。(中略)

どこかへ行くとき、面倒くさくはあったが、そのたびに、旅をしていたように思う。

輸送手段が発達すると、世界は小さくなるのである。

2では、船と、世界各地を結ぶ旅の扉が手段の全てであった。どこかへ行くとき、面倒くさくはあったが、そのたびに、旅をしていたように思う。

世界は、限りなく広かった。

とにかく広かった、という書き出しで始まるセンテンスの内容は私も古くから気にしていて、ゲームの世界の広さについて考えるいい材料だと思っていた。

漠然とだけど、DQ2の世界には冒険旅行感がある。これが私の感覚。

DQ2の世界が広い理由

記事の中ではDQ2の世界が広い理由をいくつか挙げている。

  • 前作との相対的な差
    • 初代の6倍の広さ
    • 前作の舞台であるアレフガルドを埋め込むことで世界の広さを印象づける
  • フィールドを自由に移動できる
    • 相対的にDQ5等で移動経路を制限していることから
  • ルーラで帰還できる場所が最後に記録した拠点のみ
    • DQ3以降では帰還拠点を選べる

最後に「輸送手段が発達すると世界が小さくなる」と世界が広い理由について締められている。

これはその通りだと思う。

だけど私は、上の条件だけではDQ2のような“冒険旅行”を感じる広がり方はしないとも思った。

たとえば「エメラルドドラゴン」の世界は広かったし、初代「ルナティックドーン」もとてつもなく広かった。輸送手段が発達していなかったのも同じ。比較すべき前作にあたる作品はないけれども、エメドラではひたすら歩かされ、ルナドンではだだっ広い場所に放り出された感じが否めなかった。

私の感覚では、この二作品の世界の広さにはあまり良い印象がない。ゲーム的に面白い部分はあったけど、広さについては「ただ広いだけ」だったように感じる。

いくつか理由は考えたんだけど、答えはまだ出てない。

DQ2のマップが冒険旅行を感じる広さを持っていた追加の理由

DQ2のマップが冒険旅行をしているように感じられる件ついては、以下の理由を追加で考えてみた。

  • 他のRPGに比べてスクロール速度が遅い
  • DQ2のフィールドと海洋のBGMが、前に歩かせる心地よい雰囲気を持っていた
  • 地域の連続性を実感できるシナリオになっていた
  • 捜し物を見つけたときに達成感が得られる

以上を挙げてみた。これで納得しきれているわけではないけれど、挙げたものについては実感としてある。

最後の項目については少し補足する。捜し物というのは、「世界樹の木」や「ほこら」や「洞窟」などである。プレイヤーは、わずかな町の人のセリフを頼りに世界を歩き回り、小さなオブジェを探し当てる。そして何かを発見したときに大きな喜びを得るのだ。広い中から小さなものを探し回る感覚が、達成感を呼ぶようだ。

最後の項目についてはウィザードリィにも類似の感覚がある。地図を自前で作り、何かを探し当てたときに喜びがある。ところが移動する距離が違うからだろうか、「長旅の果てに見つけた」喜びは圧倒的に俯瞰フィールド旅行の方が強いと感じる。

私としては、DQ2のようなフィールド冒険旅行感を3Dダンジョンゲームに持ち込めないかを考えてみたいのだ。これには少なくとも、ウィザードリィダンジョンクルセイダーズ2の感覚では無理だ。世界樹の迷宮はいい線行っていると思うけど、やはり違うだろう。ゲームブックの「ドルアーガの塔」はいい感じだ。

探険している感じが出て、何かを発見したときの達成感が得られるゲームルールなりマップの作りなりってないかなあと。

マップが広い類似のゲーム

DQ2世界と同じような良さを持つと感じるゲーム三つ。

あとで理由を追記するかもしれないけど、この3つはDQ2マップのいいところと同じものを一部持っている気がする。