つい遊んでしまうゲームは、プレイ時間に報いる工夫がなされている

私はかねて、プレイヤーがゲームに支払っている代償について考えていました。

投資と報酬

プレイヤーがゲームを遊び、充実を得るにはゲームの中で成功を収めなければなりません。成功を収めたと感じてもらうには、ゲーム内に報酬を用意することになります。

報酬というのは、例えばゲーム内のお金であったりアイテムであったり経験値であったりします。

報酬は、昔のゲームだと仕事をこなすと貰えました。RPGではモンスターを全滅させると貰えるし、アクションゲームでは、何かを破壊すると貰えました。例えば、モンスターを倒すとか、王様のお使いを果たすとか、物置を壊すとかです。

ゲームを遊ぶだけで支払っている代償

世の中には、プレイヤーが労働力やテクニックなどの投資をすることで報酬を貰えるゲームが多いです。では、もっとも貴重で普遍的な投資って何なんでしょう。

私が考えたのは、誰にとっても確実に貴重な投資は「時間」ではないかということです。お金でも体力でもなく、貴重な時間を費やすことがプレイヤーにとって負担であり、努力だと思います。

であれば、プレイヤーがゲームを遊ぶだけで、強敵を倒さずとも、ただプレイし続けるだけで報酬を与えてもいいんじゃないかと思うのです。

プレイヤーの努力を認めるルールを採用するなら、戦闘の結果よりも先に、時間に対する対価を考えてみたいです。

どこに報酬を配置するか

まずゲームをプレイしてくれたことに対し、どう応えるんですかという話です。

自作品の都合で、アイデアがダンジョンゲームに偏っていますが、そこに照らすと以下のようなものを思いつきました。

  • ニューゲームを選んだら、作品の紹介と共に、最初のプレゼントをする
  • 店に行ったら記念品、100ターン後に行けばまた記念品
  • 買い物をしたら交渉力アップ、福引き券
  • 病院で毒を治療したら一時的に毒耐性大幅アップ、解毒剤をサービス
  • 迷路を歩けば潜伏スキルと探索スキルが上がる
  • 同じく装備重量に応じて筋力アップ
  • ドアを開けたらたまに宝石や薬草が落ちている
  • 階段の上り下りで耐久力アップ、たまに地蔵様にお祈りできる

報酬の機会でもいい

間接的な報酬でもいいと思います。

  • 定期的に良品が並ぶ店。買うとしばらくは陳列しない
  • 定期的に野花が咲く場所。摘むとしばらくは咲かない
  • 定期的に再生成されるダンジョン

たぶん、プレイヤーが定期的に通う場所になるので、結果として長くゲームを遊ぶことになります。

巡回コースを選べるよう、配慮して配置するというのも面白そうです。

今昔変遷

昔は、ゲーム内の報酬を「目的を果たさないと貰えない」ゲームが多かったのですが、最近は「ことあるごとに何か貰える」ゲームが増えている感じです。ここは地味ですが、私には大きな変化に感じます。

例えばフリーウェアのElona、ミクシィアプリのゲームなんかは、ほとんどの行動に対して報酬があります。何かの操作をすると何かが貰えるんです。犬も歩けば棒に当たる感じ。

この感覚があるゲームは楽しくて、「つい遊んでしまう」ゲームになるなあと思いました。