ソフトバンク一矢報いる、首都圏テレビ中継なし

パ・リーグプレーオフ、ロッテ・ソフトバンク戦の第三戦。

5-4でソフトバンクがサヨナラ。ロッテリードの0-4で迎えた9回裏に、ロッテ抑えの小林の乱調につけ込む形で同点に追いつき、10回にサヨナラヒット。ホークスファンにはたまらない一夜となったことと思う。

私はYahooの文字速報で追いかけていただけだった*1ので、音も映像もない状態だったが、久しぶりにいい試合の空気を感じた。テレビ中継のない地域だったので、映像で見られなかったことが残念。こういうときにこそラジオが欲しい。

そう思っていたら、同じく歯がゆい思いをしていた人がたくさんいたようで。

パ優勝決定戦:首都圏テレビ中継なし 各局に抗議相次ぐ
http://www.mainichi-msn.co.jp/sports/pro/news/20051016k0000m040065000c.html

まぁ、プロ野球を意識して盛り上げようとするファンが最近減っていることも事実で、その最大の理由は確かに球団側の努力不足にあるとは思う。ただ、どのようなことであっても“飽き”は必ず来るものなので、ファンの側に意識して応援を続けてやろうとする意志の弱さがあることも、問題としては存在するのではなかろうか、と一ファンとしては考えたいところである。

これは、別にパ・リーグのファンに限ったことではない。常勝意識を持ちぬるま湯に漬かり続けてきた巨人ファンに問題がもっとも多い。勝てなくても応援を続けてきたロッテや広島のファンは、むしろ賞賛されるべき存在だと思う。落ち目にあってもなお野球業界が続いている理由としては、巨人のライバルのファンたちが、あきらめずに弱小球団を支えてきたことがもっとも大きいように思う。特にかつての阪神、かつてのダイエー

そして、時代が推移し、より刺激的なコンテンツを求めるようになった大衆心理を掴み続けるには、野球という素材は不利であるように感じられる。

野球が有利なのは、CMを多くとることのできるテレビ・ラジオ業界の都合にあったことが大きいと私は考えている。しかし今後は、有料放送が普及して地上波の影響力が相対的に落ちていくから、そこのメリットが減少していく。

さらに、情報の流通が乏しかった昔、親米という立場から野球を尊重し普及させたことにより、日本の野球人気の進路が決まっていった。今や情報流通がきわめて活発になり、日本人は、世界中でサッカーが愛されていることを知ることになった。スポーツに対する見方が変わってきたのだと思う。

これまで野球を支えていた力が弱くなり、新たに支持を得やすいスポーツの存在を国民が知るようになったのだから、野球の人気は落ちて当然。むしろまだ存続していることの方が、私には驚きだ。これは、関係者が一応の努力をしているからではないか?

今回中継が行われなかったことは、テレビ局にとっても球団にとってもファンにとってもマイナスだが、それは業界全体の自業自得であると同時に、難しい状況で打開策を練ろうとする業界の“誤算”の一つであるように思う。他にもいろいろと手を打っていることだろうから、ここだけを見て評価することはできない。明日、明後日はテレ東で中継があるが、これはテレビ局が“最終決戦日は明日か明後日”と予想した証拠であり、今回はむしろ、その予想が的中したと見るべきだろう。決して無関心でいたわけではないと信じたい。

今日明日の話に戻す。ソフトバンクが勝ったことで明日、テレビ東京での中継が見られる。明日もぜひいい試合をして欲しい。個人的にはもう一度ソフトバンクに勝ってもらって、月曜に決戦を持ち越して欲しい。

*1:インターネット中継も試したのだが、案の定まったく繋がらなかった