薬の猛威

市販されている花粉症対策の薬を飲んでみたのだが、効きすぎて辛い。気だるい眠気がおとずれるだけでなく、長続きする時間がとても長いのだ。対処療法的に飲んだつもりが、その後は丸一日、まともに行動できなくなる。

睡眠薬とやらは飲んだことがないのだが、こんな感じなんだろうか。たまに風邪薬や花粉症対策の薬を飲んだときの、手足にまで伝わるなんとも言えない甘ったるく気だるい眠気たるや思い出しただけでも身震いがする。あれは、ただの「眠い」じゃない。悪魔の催眠術だ。脳に働きかけて眠気を誘う力がこれほど大きいとは、人間の抵抗力など薬の前にはかくも弱いものかと思い知らされる。あれを常用するようになったら人生終わりそうだ。むしろ堂々と市販されていることが凄いことだと感じる。睡眠薬に頼らざるを得ない人々が世にいると思うとやるせない気持ちになる。不眠とはそれほど恐ろしいものか。二晩徹夜したくらいじゃ眠くならないのだろうか。けれど薬で根治はすまい。では、薬がなかった頃に不眠症は存在しなかったのか。騒音がなく夜が暗かったから?