参考になること追加・世界樹の迷宮2
Desigeon向けの資料としてみた場合。
月の表現
Desigeonに年齢の概念を入れるとしたら、一年あたりの時間を定義しなければならない。一年の長さを決めるということは、ひと月、一日、一時間、一ターンの長さも決める必要がある。
世界樹の迷宮2では、一年が十二ヶ月ではないらしくて、そこら辺が世界観の形成にちょっとした調味料を添えている。
日本だと、卯月とか如月とか師走といったように、月に対する命名があるけれども、世界樹でもそれがあって、単なる一月二月……十三月、ではないわけだ。
年齢を導入し、一年の長さを決めるなら、月の数を設定する機能と、月に名前を付ける機能があってもいいかもしれない。
ゲームブック風の表現と、数値の連続性
世界樹シリーズでネタにされる「ゲームブック風テキスト」だが。
世界樹シリーズでは、それらしい表現を見せたいがために、ゲームの進行上はあまり意味がないにもかかわらず、ゲームブック風のイベントを配置しているようだ。
「HPが50減った!」なんてイベントが二度三度と出てきたところで、ヒーリング一〜二回分にしかならないわけで、イベントを配置する必要性はほとんどないと言っていい。だから世界樹の迷路イベントは「懐古な人たちを集めるための表現」でしかないわけだ。
新しい人にとっては、「なんでこんな意味のないイベントがたくさんあるんだろう」と首を傾げたに違いない。いわゆる「おっさんホイホイ」であることに気づかなければ、無意味との指摘をされても仕方がない。で、実際ほとんどのイベントは無意味だ。
ゲームブックでは意味があった。「体力点を二へらせ」なんて記述が出てきたからって簡単には回復できないし、たいがいはギリギリのバランスで数値が決められているから、それ以降に悪影響が出る。そして死ぬ間際のところで回復イベントが挿入されていたりした。
ゲームブックの数値の変動には、連続性があり、それは作者が制御しているのだ。ところが世界樹では、数値の変動をプレイヤーが調整できてしまう自由がある。ゲームブックにも回復の自由が認められているものは多いが、出現アイテムに限りがあるので、コンピュータRPGほど回復しまくりというわけにはいかない。
数値の問題だけじゃない。アイテムもそうだ。あるイベントでアイテムを入手し、次のイベントでそのアイテムを持っているか否か、使うか否かが、結果に影響を与える。それがゲームブックだ。ところが世界樹のイベントで入手できるアイテムは、ほとんどが消費アイテムで「いつでも使える、売れる、捨てられる」という自由がある。これじゃあイベントの連続性によって意義の出るアイテムを作ることは難しい。
この辺、世界樹2にはイベントの意義に改善を期待したが、変わってはいなかった。
実際にゲームを作るときには、数値の連続性についてはちょっと考えてみたいなあと。街でアイテムを補充売却したり、いつでもHPを回復できるゲームだけがゲームではない。
フロアの名前が雰囲気を出す
世界樹の迷宮シリーズでは、フロアを切り替えるたび、フロアの名前というか口上みたいな文章が出る。これがけっこうイカす。
たとえば「B3F 幾多の戦士が倒れた絶望の地」「10F 影尽く業火の王此処に君臨す」なんて感じだ。
世界樹にはそれらしいグラフィックが付いてるから、こういう言葉のセンスがあんまりイタく感じない。
かといって、電車であった人に「“凍える哀しみの果て”って言い回しがカッコいい!」なんて語っても変態扱いされること間違いないので、場をわきまえた使い方をする必要はある。
雰囲気の出し方には総合的な演出力が問われるのだ。「激烈マハトンスマッシュ」なんて必殺技だって、お膳立てをしっかりすればあんまりイタい名前にならないに違いない。
ということで、フロアの名前だけでも表示できるようにしようかなー、なんて書こうとしていたら、関係ないところでタイムリーな要望が来た。