銀河英雄伝説への思い入れ記事を書こうとして気になったこと

「そこで戦死せよ」でグーグル検索をかけると、銀河英雄伝説のサイトが上の方に引っかかる。

吾(われ)に余剰兵力なし。そこで戦死せよ。

言いたいことがあればいずれ天上(ヴァルハラ)で聞く。

いや、なんとなく思い出したので。前の記事に便乗して。

良さとか

良さは考えたことがなかったけれども。

こんなファンサイト(「ここがカッコイイ!」http://www.hisakawa.net/ginei/tx_cool.html)を見つけたけど、ちょっと冗長で分かりづらいなあ。銀英伝好きという部分は伝わってくるので、サイトは応援したいんだけど、見たことのない人に作品をアピールするには張り切りすぎて浮いてる感じがする。

で、これが良くないと言っているわけではなくて、私もこういうイチオシ文というものは考えてみたい、だけど自分で書こうとすると難しいもんだなあという感想を持ちました。

アニメとして、ヤマトやガンダムの延長線上にあるモノとしてこの 「銀英伝」を観たとき、物凄く新鮮に感じられるんですよ。多分それは 「あらゆるものを外してる」という表現になると思うのですが――。

アニオタ目線というものがどういうものかは分かりませんが、お約束を外してるっぽいという話は分かります。読者や視聴者に媚びず、実務に徹した表現に見える点は、惹きつけられる理由の一つになった。

特に私が面白いと思ったのは、「皮肉」の連続だ。物語そのものは勧善懲悪なんだけど、絶対悪と絶対善を潔しとしない設定がたくさん入っている。

  • 嫌われ者が、もっとも有能で誠実な結果を残して死んでいく
  • 悪役が、主人公に犯罪人として処刑されたあとで、善意の強い人物だったことが語られる
  • 同性愛者を嫌い殺戮した支配者の子孫に同性愛者が生まれる

銀河英雄伝説そのものは実に「ありえない」歴史物語なのに、こういう話を見るたびに、奇妙にリアリティを感じてしまう。

(ところで、「ここがカッコイイ!」のサイトは、中央にあるテキストエリアのデザインが綺麗ですね。参考にしよう)

思い入れ記事とかレビューとかって読まないなあ

上のサイトの話に続けて、銀河英雄伝説に関する思い入れ記事でも書こうと思ったのですが。

この手の記事ってつまらないですね。

筆者は、遠回しに自分の好きなコンテンツの伝播を目論んでいたりもする。だから既存のファン以外に広めたいと思っているのに、実際にはファンしか読んでくれない気がするのだ。友人にマンガを勧めるのと違いますからね。

私も、エンターテイメントに対する他人の思い入れ記事はまず読まない。こういうのは、リアルタイムで映画館に同席していた人と語るべき内容で、後世になってからそれを知らない人間が読んだところで、ちっとも面白くないんですよ……

記事が独りよがりなんですな。「あんたがそれを主張するならアタシはこれを主張するワ」みたいな気持ちにさせられたり。アピール方法が悪いのか、記事を書こうとする動機がそもそも悪いのか。

ガンダムとか、エヴァンゲリオンとか、イースとか、幽遊白書とか、月姫とか……

自分が見たことがないものはもちろん、見たことがあってもヒットしなかったものは、全然良さが伝わってこない。

語っている人間は、一生懸命宣伝しているのかもしれませんけれども。筆者が声高に「良さ」をアピールすればするほど、こちらは冷めていくというか。筆者と読者の温度差が激しくなっていくんですな。

で、私が他人に語りかけるとすれば、銀英伝なんですよねえ。

あとは、広めたいものとしてゲームブックなんかもあるけど、これは「一度死滅しかけたジャンル」だから別の難しさがある。好きな作品をアピールするというより、化石を掘り起こして皆さんに考古学を学んでいただこうという主旨になってしまう。悲しいことに。

皆さんにもそういうものってないですか。人に語りかけたくなる、遠回しに宣伝したくなるようなコンテンツ。アニメ、漫画、ゲーム、小説、映画、色々あると思うんですが。ワシはこれが好きなんじゃー、という記事を書いても、集まってくる人は大抵、同じファンでしかないわけですよ。

ファン以外の人間にアピールするにはどんな風に書いたらいいだろうか。