ロッテ4戦4勝で日本一

強い……強すぎるロッテは強い……ガフッ。

四試合とも、ほぼロッテ完勝と言っていい内容で、第四戦はロッテのミスによって僅差になったが、内容的には3-0で決まりだったように思う。

だけど、阪神はもう少しやれただろう。TV解説者の言葉ではないが、濱中を出すのが遅すぎたと思う。途中、守備交代したときには“濱中いたのかよ!”と思わず叫んでしまった。

さらに私が第二戦終了時に考えたことは、四番を変えて欲しかったことだ。守備の関係上、不都合が生じるのかもしれないが、無安打の打者に奮起を期待するよりも、まず一勝をもぎ取ることが短期決戦では必要。濱中の件と合わせてクエスチョンマークを置きたいところだ。結局、金本は第四戦で一本ヒットが出たものの、時既に遅し。続く五番の今岡も揃って調子が悪いのでは勝てるはずもない。

それとバントが下手すぎる。なんというか……、一言で言えば“ぶざま”なシーンが阪神には多く、ロッテの守備には好感を持った。バント失敗でアウトを取られるというのは、とてつもなく痛いことなのだ(…なんてことは現場の人間であれば当然知っているはずだが)。現在のバント成功率では、バントに挑戦する意味そのものに疑問を抱く。あれほどバントのリスクが高い状態ならば、第三戦、第四戦共にどんどんバットを振って、フライでもいいから外野に飛ばして勢いを見せる努力をした方がはるかにマシだったように思う。

第四戦の五回、先頭打者が塁に出たとき、非常にまともなヒットだったので、「このヒットが今日の希望になるかも」と期待してしまったのだが、ロッテの投手が良すぎたことと、阪神の打者に勢いがなさ過ぎることが災いし、結局“運”に見える得点(テキサスヒットとロッテのミス)に頼る2得点となり、あと1点を取ることができなかった。

実力も作戦も、阪神は及ばなかったように思う。

そうだ、あと、「あと一本が出ない」という状況は、「惜しい」状態とはまったく異なると私は考えている。「あと一本が出ない」が長く続くからこそ弱いチームであり、努力の足りないチームなのだ。それが本来は下位のチームであり、巨人なのだと私は思う。なぜかスポーツニュースなどで「阪神は勝てるはずなのだ。あと一本が出れば流れが変わっていた」などという取り上げられ方をしていることが多いようなので、私は気になった。現在のセ・リーグのチームであればどこであれ、パ・リーグのロッテとソフトバンクには勝てないと思う(西武以下が相手なら別だが)。セのどのチームであれ、ロッテ相手に7戦したところで、「あと一本が出ない」試合が多くなって負けてしまうと思う。

そもそも「ここで一本を抑える」ことが投手の粘りというものであり、ロッテの強いところなのではないか?シーズン前半、ロッテのチーム防御率が1点台だったことを思えば、セ・リーグの覇者たるチームの打線が完全に抑え込まれてしまうことなど十分に納得できるし、それはつまり、阪神の実力がロッテに及ばないからと考えるべきだ。阪神にあと一本が出なかったのではなく、ロッテのバッテリーがあと一本を出さないよう、実力を発揮したのだ。だから、あと一本を出そうと思って出せるものではない(そのロッテといい試合をしたソフトバンクは、おそらく阪神以上に強いに違いない)。

さて、シリーズ全体としては…、予想通りではあるのだが、パ・リーグプレーオフ第二ステージに比べてとても内容の充実度という点で低かったと感じた。

来年のセ・リーグには、今年のパ・リーグのようなレベルの高い試合を多く期待したい…。