銀河英雄伝説4EXのいいアイデア「統率」

先日、銀英伝ゲームの話を書いたときに思い出したことがあるのですが。

とある戦略ゲームの能力値ルールの話。ターン制の戦略ゲームは、コンピュータRPGにも通ずるところがあるなあと。


銀河英雄伝説4EX』は、宇宙空間を舞台に艦隊戦を行うゲームだ。プレイヤーは司令官となるキャラクタを一人選んで、自分の艦隊を指揮して、自陣営を勝利に導く。

このとき司令官の能力値が、艦隊の戦力に影響する。パラメータゲームになっているのだが、銀英伝4EXにはここに、興味深い仕組みがあった。

司令官の下には、幕僚(部下)を5人まで付けることができる。このとき、幕僚全員の各能力値の最大値が、司令官の能力を上昇補正する仕組みになっている。

司令官には得手不得手がある。たとえば、攻撃は得意だが防御は苦手とか、空戦は強いが足が遅いとか。どんな司令官を選んでも、ある程度は弱点が生まれるようにパラメータ設定されている。

ムラがあったり、能力の低い司令官には、幕僚を付けることによって、弱点を補うことができる。このとき、司令官の苦手な分野について、逆に得意とする部下を付けなければ意味がない。以下に例を挙げる。

  1. 司令官の能力A【高い】+幕僚の能力A【低い】→ 艦隊の能力Aが高い
  2. 司令官の能力B【低い】+幕僚の能力B【高い】→ 艦隊の能力Bが高まる
  3. 司令官の能力C【低い】+幕僚の能力C【低い】→ 艦隊の能力Cが低いまま

補正のかかる能力値は全部で7個ある。司令官がすべてにおいて無能な奴でも、各項目について効率よく優秀な部下を揃えれば、優秀な司令官と遜色ない力を発揮できるのだ。

ただし、有能な部下を付けたからと言って、それだけでどんな艦隊でも強くなるわけではない。部下の才能を引き出せる司令官でなければ、あまり強くならない。

そして「どれだけ部下の才能を引き出せるか」を表した能力値が「統率」だ。司令官の「統率」が高ければ、他の能力値が異様に低くても、優秀な部下さえ付ければ、強い艦隊が出来上がる。逆だと、どんなに優秀な部下を付けてやっても、能力はあまり上がらない。

この統率というパラメータの意味と、合理的な上の仕組みを考えた人は素敵だなあと、当時、PC98版を遊んでいたときに感じた。

コンピュータRPGなんかでも、「才能の発揮」という発想から能力値を決定するような仕組みが考えられる気がする。武器を使いこなす力、呪文の性能を引き出す力、あるいは仲間といかにうまく連携するか、なんてのも、個人の能力だよなあ、と。


(以下、おまけ)

このルール、どういう計算式で能力値の上昇値を決めているのか知りたいところ。以下は例ふたつ。幕僚は同じ設定。

能力 司令 幕僚
最大
終値
統率 93 - 93
運営 75 90 86
情報 86 95 93
機動 52 93 82
攻撃 73 83 80
防御 62 100 90
陸戦 69 96 89
空戦 58 82 76
能力 司令 幕僚
最大
終値
統率 48 - 48
運営 22 90 48
情報 32 95 56
機動 2 93 37
攻撃 5 83 35
防御 13 100 46
陸戦 18 96 48
空戦 5 82 34

終値は「司令+(幕僚−司令)×8割×統率÷100(四捨五入)」で行ける?

ちょっと簡略化すると「司令+(幕僚−司令)×統率×0.008(四捨五入)」か。