キャラクタの成長仕様が課題
能力値の成長仕様取り決めが課題という話。Desigeonはすでに巨大なヤマを二年以上前に超えてしまったので、拡張という形で続きを作る作業はさほど苦にならない。仕様を決めるまでが大変、あるいは曖昧なまま作り始めることが危険なのだ。
将来的な課題は大きく分けて二つある。どのように値を増やすかということと、どのように成長をレポートするかだ。現時点では後者を非対応ということに決めており、前者の「値をどう増やすかを決める」ことが目先の決めねばならないことであります。
現在の成長ルール
キャラクタの成長ルールは現在、レベルアップ時にボーナス値を生成して、プレイヤーが能力値に値を割り振るスタイルを主に採用している。基本能力値のみが対象だ。
このほかにUOルールも搭載しているが、サンプルができてないので再考の余地あり。
こういったルールを増やすことを想定しておく。
難しいところ
成長は転職とともに考えねばならない。実は成長自体はそれほど重要じゃなくて、のちに成長ルールを実装するときのため、それに対応できる転職ルールを決める必要がある、というところが難しいところだ。
成長ルールを決めておかないと転職ルールが作れない。転職ルールが作れないと能力値が作れない。ということで先に進まなくなる。したがって成長と転職は同時に考える。
思い浮かべるモデル:成長
転職のあるゲーム
- ウィザードリィ。能力値の成長と減衰がランダムで決まる(職業が影響?)。年齢が影響する
- ドラゴンクエスト3。職業ごとにランダム上昇幅が決まっている。強化アイテムで成長するが依存度は低い
- ファイナルファンタジー3。職業ごとの成長グラフを定め、レベルに応じた固定値が決まっている。HPのみ累積
- 世界樹の迷宮。職業ごとの成長グラフを定め、レベルに応じた固定値が決まっている。スキルのみボーナス1割り振り。転職後はボーナスあり。
転職のないゲーム
- ディアブロ。ボーナス値をプレイヤーが能力値に割り振る
- ルナティックドーン2。投資金に比例して能力値を増やす
- 旧ウルティマオンライン。使った能力値が、それを構成する二次能力値とあわせて成長。上限近くなると上がりにくくなる
- ファイナルファンタジー7,8。職業ごとの成長グラフを定め、レベルに応じた固定値が決まっている。強化アイテムで成長するが依存度は低い
- ドラゴンクエスト1,2。キャラクタの成長グラフを定め、レベルに応じた固定値が決まっている
思い浮かべるモデル:転職
- ウィザードリィ。能力値が初期値に戻る。レベルは1に戻る。HPは残す
- ドラゴンクエスト3。すべての能力値を半分だけ残す。レベルは1に戻る
- ファイナルファンタジー3。新しい職業の成長グラフに切り替わるだけ。レベルとHPは残す
- 世界樹の迷宮。スキル値の成長上限が増える(結論)。もともと固定だった能力値にボーナス値を少量追加。レベルは1に戻る
分析
私の思考が浅いのだろうか。これだけでは組み合わせの傾向が見えない。転職との相関もない。一応大別してみる。
- 能力値にボーナス値を手で割り振る。割り振る対象はかなり限定されている
- 能力値の成長幅(対象)が職業の設定に応じてランダムで決まる
- レベルに応じて固定値が決まっている。キャラクタのカスタマイズ性はほぼ無視
- HPのみ例外的に扱い、累積を重視する
- 成長を強化アイテムには頼らないが、金の力に頼ることはある
- 使った能力値が成長
どんな組み合わせもアリ。転職との相性はなし。だめだこりゃ。あえて言うと最後の二つが例外的。
ゲーム単位のオリジナルルールでは、組み合わせの相性はないようだ。Desigeonでこれらをサポートするなら、ルール一つ一つを着実に追加していくしかない。しかもルールを組み合わせることを可能にすると、複雑に見えてしまう。Desigeonにとって痛い現実。いいとこ取りするのも楽じゃない。
余談だが、RPGツクールは3番目固定、3DRPGCSは1番目か2番目を選べて4番目が固定。
いくつか自由に思ったこと
こうしてみるとウィザードリィとウルティマオンラインの成長ルールが一番おもしろいなあ。前者はプレイヤーに媚びないリアル志向、後者はプレイヤーの努力に報いる公平感が感じられる。それが実際の運用で好評が得られるかは別にして、発想について私はこの二つが好きだ。練って作りこんでみたいと思わせてくれる。
けれども以前書いたとおり、成長した瞬間に嬉しいゲームはドラゴンクエストシリーズだ。理由は漠然としていて説明しきれないけれど、成長して嬉しいと感じるゲームは必ずできがいいと感じる。
世界樹の迷宮は、成長を実感させるという点で強い。まず「どの必殺技を覚えますか?」をレベルアップごとにプレイヤーに尋ねるスタイルは、興味を引く力や、キャラクタのカスタマイズという点で強い(ディアブロ2が似ているが、世界樹ほど成長を実感できない)。そして大多数の技は、効果がすぐに表れるから次が欲しくなる。で、そうやって技がさえる一方、世界樹の能力値は、ウィザードリィ以上に存在感がない。少なくとも大多数の初心者は、能力値を気にかけないと思う。値より技を見ろ、という出だしだ。
ルナティックドーン2は、もっとも極端な「ゲーム的」な例だ。金が能力値に変わる。つまり所持金イコール経験値という扱いになっている。金をたくさん持っているということは、それだけ苦労したという証(ルナドン的に)というわけだ。作り手としては、割り切れるなら作るのが楽だし、プレイヤーサイドから見てもわかりやすい。能力値は金で買えと説明書に書いておけばいいのだ。こいつの欠点は、パーティを編成するゲームでは使いにくいことだ。プレイヤーが一人の人生を追いかけるという、本来のロールプレイに近づけたルナドンなればこそのルールかもしれない。Desigeonは一人ゲームを作れていいので、ルナドン2も参考になる。
最後に。キャラクタに個性がないのがファイナルファンタジー3だが、これを欠点のみと呼ぶには早計だ。FF3は、経験値を元にレベルと能力値が固定で決まる。HPのみ例外で、HP9999を達成した後はどの職業を、なんど選び直しても損得がない。ということは、いつでも別のジョブを楽しめて、いざとなれば元に戻れば済むという、一見すると欠点に見える「没個性」が選択の楽しみを生んでいる。ウィザードリィで一度ニンジャを作ると、なかなか他のクラスには変更しがたいが、FF3ではジョブをダウングレードしても復帰が容易だ(ジョブチェンジごとにキャパを消耗するがすぐに稼げる)。
他の例
他にどんな例があったかな……。一個人の体験ではサンプルが少なすぎる。