シナリオ制作で楽しい部分と好まれる作品

あくまで編集ツールで考えてのことなんですが、何かを作っていて楽しい部分というのは、個々人で違うと思います。

人によってはテキストを作っているときであったり、敵キャラクタの設定を考えているときであったり、アイテムを作っているときであったりする。

ただ、作っていて楽しかった作品が、多くの人に受け入れられるとは限らないので、それは割り切る必要がある。できのよい作品を作るということは、楽しみの他にも辛さを伴う作業も要求される。少なくともDesigeonそのものは苦楽の結晶です。

Desigeonは、作る楽しさを満たすことと、作ったシナリオでプレイヤーを楽しませることの二つを、使い分けることができればいいと考えています。二つを同時に満たすことは難しいが、二つの配分を好きにできるなら、それは大成功なのだと思います。片方だけなら及第点かな。

これは、ゲーム的に面白い機能が良い機能、とは必ずしもならないことを表しています。単に作る過程を楽しむための機能があってもいい。


このような定型の編集ツールは、大衆の中での位置づけが難しくて、できあがる作品がどれも同じ骨格と外観を持つという、(多くの場合は)欠点となる要素を抱えています。

どれも同じに見えるなら、有象無象たるシナリオ群のすべてに人が興味を持つはずがない。友達が作ったものを遊ぶのが関の山です。あるいは、はじめから興味を持つ少数の人たちが偶然、我々の作品を試すか、ライバルによる偵察プレイをするくらいだと思います。

これを打破し無数人を集められる要素は、今のところ一発ギャグと性表現くらいしか思いつきません。

ですのでDesigeonは、身近な賛同者を得つつ、小集団の中で遊ぶホームゲーム的な使い方が向いているかもしれませんね。

その意味で、人に自分の作品を遊んでもらうには、個々の人間関係を尊重するのが一番重要なことかもしれません。好きな人の作品は、なんとなく好意的にテストし、好感を得がちなので作者・プレイヤーともに楽しみやすい。

たとえば、幼い兄弟が積み木で遊ぶようなイメージです。卓上ゲームあり、バットとグローブあり、対戦ゲームあり、Desigeonありということです。