ニコ生にDesigeonが登場

ワイヤーフレーム型3DダンジョンRPG制作ツール『Desigeon』のシナリオを、ニコ生等の動画配信で実況しながら制作するという試みが始まっています。

ツールをご存じない方も、ゲーム制作に明るくない方も、お気軽にご参加下さいという姿勢のようなので、こちらにアドレスを転載します。

私はメールで教わるまで知りませんでした。途中参加で見せていただいたのですが、少人数ながら楽しそうです。そして、ものすごく大変そうです。コミュニティには掲示板も動いています。

現在、作業の中心はウィキで、Desigeon自体はそれほど出てきていません。例えばアイテムや魔法について視聴者から募ったり、グラフィックイメージを提示したりといった会話が出て、それを記録するということを繰り返していました。

作者のノリの都合上、内容には惰性感がありますが、そこは動画の個性だと思います。どんどん作業を進めて欲しい人が見るとじれるかもしれません。

配信のタイミングは決められていないようですが、履歴を見るとだいたいが夜中から朝方にかけてのようで、平日に参加させていただくにはちょっと難しいかもしれません。

感想

私としては、Desigeon自身をニコ生で見る日が来ることになるとは思いませんでした。行く末は分かりませんが、このやりとり自体が楽しいことに意味があるんだと思います。以前、コミュニティの重要性に関する話題を掲示板に投げたことがありますが、私の脳内イメージにはこうした動画サイトの特徴が符号していましたので、興味深いです。

あと、ちょっと気恥ずかしいです。自分のツールもそうですが、送ったメールが動画中に出てきたり、顔見知りでない方に熊さんと呼ばれるのって不思議な感じです。

見てすぐに気づいたのですが、遊ぶ土俵がツールであるかということは重要ではないと思いました。参加者が楽しさを共有している状況が見えることに価値がある。ということは、たぶんRPGツクールでも他のゲーム制作プロジェクトでも同様の感じを受けると思います。

自分で何かを作っているときに感じるのですが、作者一人で盛り上がってる感があると時間経過と共に空しさがこみ上げてくることがあります。でも上の形はゼロから始めて徐々に盛り上がっていくんです。これは一人で作る場合との決定的な違いだと思います。

課題

活動が楽しいことと、シナリオ制作の結果は別問題でして、この後、活動を収束させるステップに課題が残ると予想します。Desigeonに限らず、多くのRPG作家が一人で挑戦して投げ出していると思いますので、今回についても、作品の完成は考えない方がいいのかもしれません。

これまで何度か語ってきたことですが、Desigeonは良ゲームを完成させることを目的として作ったのではないので、取り組みを頑張りすぎないようにしたいです。私は、周辺にある小さなコミュニティの充足と、個人の素朴な楽しみや思い入れを少しでも現実のものにするために作ってきました。だから私にとっては現時点で得るところがあるのですが、「ゲームは遊べてナンボ」という価値観のみを持つ参加者が未熟なシステムを前にしたとき、どう感じるのだろうと思います。

現在のDesigeonは見てくれに関する機能が不完全だし、参加者の満足値については不安が残りますね。グラフィック素材が集まりはじめていると聞いていますが、それを活かして楽しい演出ができるほどの機能は提供できていないはずなので……。

誰かの希望を叶える機能を実装することは簡単なこともありますが、Desigeonは汎用ツールなので、他のシナリオや将来への影響も考えねばなりません。この辺は動画をじっくり見る機会を作れたら考えてみたいですが、最近はあまり時間を取れないので長い目で見たいと思います。

動画の中で出てきた課題、「死んだキャラクタの救出」についてコメントしようと思いましたが咄嗟にいい説明が思いつかず、話の流れが逸れたのでコメントし損ねました。あとで機能の補完と合わせて考えてみます。ここはやりたいことがはっきりしていれば、機能不足を補うことは簡単な気がします。

立場と実行力の都合で直接フィードバックしにくい

掲示板では積極的に意見が出ているようですが、なにぶん2ch風なので立場上、コメントしづらいです。私の活動にも向き不向きがあります。ご意見はなるべく拾っていきたいと思いますが、どのような形でフィードバックするかはその都度考えようと思います。

現状、自サイトから遠出して活動できない状況にあり、私の実行力の都合で、懐まで来て文責・体裁を整えて発言して下さる方との対話を優先しています。話を拾いつつバグ対応や、やれそうな機能補完をやっていければと思います。

興味深い

上記は試みがまだ小さいながら、興味深いです。私はこれまで、日の光を浴びない世界であることを承知で地道にやってきましたが、花の芽は暗闇に息吹くものと感じさせてくれる事例でした。

ツールを通じて楽しめることが第一です。それが視覚化されたことが素晴らしいなあと。