シルフェイド幻想譚2周目クリア
公式サイト http://www.silversecond.net/main/contents/game/silfade_gensou/
トーテムにスケイルを選択(前回はクロウ)。S.Exp+999で開始。評価A(前回はB)。S.Exp+999で始められるようになることは、なかなか面白い試みだ。クリア時に評価も出るし、ガンパレードマーチのようにやる気を刺激される。
でも、結局250回以上の戦闘回数になってしまい、戦闘評価はAとなった。そんなに戦闘していたのか!と思えるくらいストレスがなかったので、あらためてバランスの良さが感じられる。
クリア時間は、ゲーム中時間で7日、実時間で5〜6時間といったところだと思う。今回は、やりたかったイベントをすべてこなした。
シズナにせよメアリーにせよ、脇役に感情移入しやすい点は、ギャルゲーに通じるところがある。というかギャルゲーと同じ狙いがあるな。あまり好きな言葉ではないがキャラクタが立っている、というか。理由としては、以下が挙げられるだろう。
- やりとりの総量が短く、印象が分散しない
- CGが粗く部分的であるあため、想像を羽ばたかせやすい
短く、情報も少ないままぱっと終わってしまう儚さと潔さが、個々のキャラクタの印象を鮮烈に保ったまま終了に至る原因だと思う。
まあ、欠点としては、どの女性も似たような顔に見えてしまうということで、この手の感性に疎い私には、最初誰が誰だか分からなかった。メアリーがヒロインだと思いこみ、シズナを一生懸命に追いかけ、仲間にして連れて歩いているイシュテナに夫と子供がいることを知らなかったなど、女性キャラクタを見る目はすべてにおいて勘違いしていたように思う。あまりストーリーを理解しないで、ただひたすら「魔王を倒せ」だけで動いていた。固有名詞を覚える自信がない(し、興味もない)ので、秀丸を開いてそこにメモを取っていた。メモは、最初は録っていなかったが、クリアのために必要だと感じたのだ。
終盤になってようやく「独身の若い女性を仲間にすることができないゲーム」ということが分かり、変な勘違いと妄想を膨らませていたことに気づく。設定を考えると、最近のファイナルファンタジーの方がよほどギャルゲーに近いはずなのだが、シルフェイドは個性の出し方がギャルゲーなのだろう。印象が全然違う。
寒い印象を打破したのが、スケイル選択の2周目だった。これはなかなかいい演出だ。まあ状況が限られてはいるが、連れだって歩いて嬉しいのはやはりスケイルが最上だと感じる。ヒロインの中で浮いたセリフが最も多いのは、恐らくスケイルだろう。
仲間ヒロインはこれ以外に、イシュテナ・ウリユ・オーバの3名がいる(あ、セタもだっけ?)。オーバはセリフが面白そうだが、ヒロインと呼ぶには年が行きすぎているし、イシュテナはなんと冷たいキャラだろう……。「自分のとこ以外の街は滅びてもいい」「旦那は頼りない。別に誰でもよかったが」って、壮絶に現実的というか現実以上に冷たいというか。ギャルゲらしからぬ個性を感じてこれはこれでいいが、もっともヒロインらしい美人キャラというところに悲しさを感じる。女選択時の男キャラもこんな感じなのだろうか……。
記憶に残るいいゲームだった。まったく方向性は異なるが、Phantomや君望以来の会心作であると感じる。小さい工夫、小さいリソースで高い効果を発揮した個性溢れる作品。
そして、二、三年に一度しか訪れないこの素直な喜びを噛み締めつつ、シルフェイドのプレイは区切りを迎えた。まだやっていないこと、見ていないセリフは無数にあるようだが、きりがないのでこのあたりで終了ということになると思う。
そうそう、まだ今後、バージョンアップする可能性もあるということで。さすがフリーソフト。またその気になったら、ぱっと立ち上げられるようにデスクトップにアイコンを貼り付けておくということで、本作品の話はクローズにしたいと思う。