蜂蜜を食うミツバチ

巣蜜をいただいた

巣蜜。そうみつと読んでいいのか……?

ハチの巣そのものを食べる話。

サービス品らしく、進呈ということで、いつも別の商品を購入している業者から贈られた。以下の商品相当の品である。

失礼ながら値段を確認。なるほど、ひと箱のお値段(約1600円)を考えると、あまり食べる機会のない高級食材に類すると言っていい。

そのままひとくち食べてみた感じでは、非常においしい。味は蜂蜜そのもので、口の中に蜜蝋(みつろう、という名称がついているが、人間にとっては残りカス。ミカンの皮みたいなもの)が残る点が、通常の蜂蜜と大きく異にする。蜜蝋(カス)はミツバチたちの仕事の成果で、食べても安全なのだそうだが、カスそのものに味はなくマズいので、無理に食べる必要はなさそう。

この巣蜜、味わいたければ、ほとんどの人には普通の蜂蜜で十分だと思う(味はほぼ同じ気がする)が、たまに食す素材としては高級感も手伝っていい経験になると思う。というわけで、明日は食パンで試す予定。


で、以前から気になっていたことがある。

  • “ミツバチは商品のハチミツを食べるのか?”

これまで、いつも人間が食べているハチミツと、実際に巣の状態にあるハチミツでは味が違うのではないか、という疑念があった。養蜂業界は自然食品であることをウリにしているが、実は微妙に加工して出荷してるんだろう、なんて疑いをずっと持っていた。

今回贈られてきた巣蜜が、本当に自然界で生まれたありのままの商品なのであれば、当然、ミツバチは喜んで食べるはずだ。何しろ、彼らの家の一部を切り取ったものなのだから。しかもカス……いや、蜜蝋が残った状態で。

というわけで、都合よく家の中に迷い込んできたミツバチがいたので、試してみた。(画像が不明瞭でごめんなさい。私のデジカメではこれが限界っぽい)

食べた。

一心不乱に食っている。早くどけよと思うくらい、長く長く巣蜜の端をしゃぶり続けている。近くでカメラのフラッシュを焚こうと皿を揺らそうと、とにかく食い続けている。事前に、人間の家の中で暴れて弱っていた(腹が減っていた)という事情もあるのだろうが、もともと好物なのだと思う。

しばらく食べたのち、腹一杯になったのか、ハチミツは蜜から離れて、手で口の周りをこすり始めて、やがて飛んだ。食べ終わった後の行動は、まるでウンコにたかるハエそっくりで、基本的に彼らは似たもの同士なんだろうなぁと思わされた。まぁそれはともかく。

当たり前といえば当たり前に思えるが、ミツバチにとって、やっぱりハチミツはおいしいようだ。

私と人間以外の動物の間で、同時に「おいしい」と心から思えた無加工の食べ物は、これが初めてであるような気がする。犬も猫も、人間とは微妙に違ったものを好物にしていることが多いし、カブトムシや小鳥ともまた、食べ物については人間と合わない。

それにしても、ミツバチは結構かわいい昆虫だということも分かった。