五輪を目指すメリット

どこかのテレビ番組で、「2016年オリンピックの日本代表になるのに、もっとも容易い競技は何か」という話をしていた。

結論は、クレー射撃なんだそうだ。とくに日本の女子クレー射撃は競技人口が少なく、50人に一人の割合で日本代表になれるらしい(競技人口100人強に対し、代表枠は2人)。おまけに、高齢者でも参加しやすく、現在の日本代表候補には老齢者もおられるそうだ。

そこで私は母と妹に冗談混じりで、「6年間、クレー射撃を練習して東京オリンピックを目指そうぜ!」と語ってみた。

もちろん断られたのだが、そのときの返答が「オリンピックを目指すメリットってなんなの?あの人たちって何のために出てるの?出て、お金がもらえるんなら良いけどねえ」というものだった。

や、五輪を目指せと言われて、一笑にふすのは分かる。だけど五輪を目指すメリットを尋ね返されるとは思わなかったので、私はそこで言葉に詰まり、脱力してしまう。

カネはもらえるだろう。最近の実績では確か、金メダルをとれば3百万円だっけ?

いや、そういう話に持っていきたかったんじゃなくて。


そういうやりとりを経て急に私、オリンピックは意外に参加する価値がない気がしてきました。たぶんこれ、錯覚だと思うんですが、世の中にはさまざまな価値観があります故、深くは考えますまい。

ただ、私、家ではスポーツ競技を一人で観ることにしてます。自然とそうしていたんだけど、そうしていた理由が分かったというか。家族から離れた方が健全なこともあるのだと思います、はい。

女子クレー射撃の競技人口が少ない状況の縮図が、ひょっとしたら我が家にはあるのかもしれませんな。スポーツへの価値観の話というより、人生観の話であるような気もいたしますが。