食費を見てがっかりすること
母が見たテレビ番組で「4人家族の食費は月4万円に抑えるのが普通」という主張があったらしく、信じられないという表情で肩を落としていた。
4人家族で4万ということは、一人1万円しか食べられないことになる。我が家の感覚だと無理だ。
食費への考えは家族ごとに違う。何人かが実践しているから言って、あたかもそれが世間では普通であるかのように語るメディアの異常さは、相変わらずというべきか深刻だと感じるべきか。
以前、訳あって2ヶ月間、父と二人で生活する必要があったときにレシートを管理して、経費を計算したことがある。食料は残さない(=無駄なものは買わない)という方針を貫いた。
ところが。70日後の結果は「二人で19万円」という燦々たる内容だった。この額は食費だけでなく、酒・タバコ・灯油・昼食弁当代を含んでいて、ガス・水道・電気は含んでいない。酒タバコは父のみだ。
内訳を見ると、酒とタバコで3〜4万を占めるが、やはり食費が大きい。食料の買い出しは主に私がやっていたので、このときはショックだった。以後すこし気をつけるようになった。
同じ時期、対照的だったのが母と妹である。「食費は一人1万5千円まで」と言って月初めに妹が母に金を渡し、それで生活していた。彼女らが二人で月3万円の生活をしていた頃、私ら二人は月7万円の生活をしていたのだ。
私は学生時代からずっと、自分の財布に三千円以上入れない癖がついている。それで同僚などに冷やかされたりしてきたが、それでもこの有様である。買い物の際は以前より気をつけるようになったが、冒頭の番組ほどには節約できていないんだろう。厄介な問題である。
たぶん、一人暮らしなら別の感覚が身に付くんだろう。話の背景には、家で作って家族で食べなきゃダメだという父の主張の問題があるので、やりくりの上手い下手がモロに出てしまうのだ。
さらに残念なのが、これだけ食事をしても私の体重がほとんど増えなかったことである。運動しなきゃダメだなあ。