成果物をあえて壊させ、成長を求める

ミクシィのキュービッツというアプリを見ていて興味を持った点。

キュービッツは、箱庭ゲームで道路や建物を造っていくゲームなんだけど、建造時に何ができるかは指定できない。そして土地の面積は決まってる。

だから気に入らないものが建った場合は、壊して作り直す、ということを繰り返すことになる。建てていると自分が「成長」して、よりいい物件が建つようになる。その過程で気に入った物件を残していくという流れになっていて、これがわりと上手く回ってる。

作ったものを壊すというのは、言葉で書くと無駄で迂遠な感じがするけれども、実際にプレイしていると気にならない。古いものの上に上書きすることを繰り返していくことで、自分が育ち、新しいものが建つことの価値が大きいので、過去の成果を切り捨てることにためらいを感じない。


以前、当雑記ではRPGのアイテムが陳腐化していくことをネガティブに捉えていた。例えば、ゲーム初期の頃に手に入れたロングソードがゲームを進めるにつれて、より強力なアイテムを見つけることでゴミになり、捨てるか売るかすることになる。これを「しょうがない」という言葉で締めくくるのが多くのゲームの現状だ。

スキルやコマンドなんかも同じことが言える。ドラゴンクエストのメラ、ファイナルファンタジーのブリザドもゲーム後半は使わない。コマンドがあるだけ無駄。

でもキュービッツのように、古いものの上に新しいものが作られているという実感があれば、あえて持っているものを切り捨てる行為をポジティブに捉えることができるのかもしれない。

たぶん要件は「古いものを切り捨てれば成長する」という感覚をルール化することだ。

アイテムやスキルの枠は、あらかじめ制限しておく。

  1. 購入または習得
  2. 運用
  3. 壊す、捨てる、渡す
  4. 生産または休養
  5. 性能が向上して再生成される
  6. 運用に戻る

多くのゲームにないのが、壊したあとの「生産または休養」という部分。アイテムは一時、放棄しなければならない。できあがるまで時間がかかる。スキルも同様。

プレイ時には、アイテムやスキルを入手したらしばらく使ってみて、その後一旦壊し、我慢した後に強化したものを手に入れることができ、また使い始めるという流れができあがる。

従来は陳腐化するだけだった初期アイテムや初期スキルは、過去の経験に組み込まれるのでゴミになるという感覚が小さくなるんじゃないかなと。