キャラクタのランキングを争う

ライバルを多数登場させ、キャラクタのランキングを街の掲示板に張り出すようなRPGの仕組みが見たい。公に晒すのは掲示板である必要はないが、とにかくプレイヤーの競争心やランキングコレクション魂(なにそれ)を煽ることができる競争システムがいい。

これは競馬ゲームだと当たり前になっている仕組みだ。たとえば競馬新聞を毎週のようにプレイヤーに届けて、大きな見出しで「開花した大輪の菊クマダイヤ!(菊花賞に勝ったときの見出し)」と書いたり、「馬主ランキングトップテン」みたいな内容を新聞が報じるわけである。自分の馬が記事に出ていると嬉しくなる一方、人の活躍を見るたび、トップ記事に躍り出ることを一つの目標にできるわけだ。

違和感なく新聞の記事にしなければならないので、当然ライバルもたくさん用意して、彼らが頑張っている様子を伝えねばならない。相対的に優秀と認められ、それが人目に付くから嬉しいのであって、「レベル100!最高レベル達成ですおめでとう!」ではこの面白さは出ないのだ。レベル100自体は嬉しくても、みんなの前で褒められる嬉しさに比べたら全然たいしたことじゃない。

さらに殿堂入りという仕組みを導入している競馬ゲームもある。優秀な実績を収めた競走馬は、ゲームの中で殿堂入りを果たし、引退後に永久登録されるのだ。他にも、年末に年度代表馬(その年、もっとも活躍した馬に送られる賞)として認められたり、引退後に顕彰馬として認められるなど、JRA公式の機能が多数ある。こうした分野では競馬ゲームはとても練られているので、参考になるかもしれない。


……で、実際に上を参考にして、競争心を煽るような仕組みを作ろうとして、労力が伴わず別の形で完成させ公開したゲームが過去にあった。じっくり煮込んで搭載していかないと厳しい。こうした外堀を賑わす機能は、なまじゲームの中身とは直接的に関わらないことだったりするので、後回しになりがちなのだ。

開発の手順としては、ひとまず迷宮を歩けるようにして、戦闘できるようにして、宝物を収集できるようにして……最後に褒め称える仕組みを作る。と、このように、煽る部分は後回しになってしまうのだ。

最終的にはDesigeonでも、アイテムやモンスターのコレクション機能とあわせて、こういう部分も実装していきたいなあ。


問題点もある。競馬ゲームにでてくる競走馬は寿命が短く、回転が速い。次々とスターホースを生んで、毎年同じ難易度の門に「再挑戦」できる楽しさがあるのだ。ある馬が新聞を賑わせてから2年後に引退し、殿堂入りし、そして次世代の馬がまた新聞に載る。その回転の速さが長いゲーム寿命に繋がっていく(しばらくすると結局はダレるんだけど)。

RPGだと、特定のキャラクタを長く使い回す傾向があるため、一本槍の競争方針では回転の速さは生まれない。長期にわたる勲功の累積を置く一方、初期化と再評価を繰り返すリバーシブな概念も必要にある。