乱戦の概念

昔から、乱戦の概念が欲しいと思っている。

乱戦というのは、ここでは「敵味方が入り乱れて戦う」状況を表す。

ファイナルファンタジーにせよウィザードリィにせよ戦闘画面にはいると、敵味方の配置が右と左、もしくはフロントとバックに別れる。整然と対陣し、前衛どうしが殴り合い、後衛が味方を支援するという、秩序あるスタイルを前提として戦術を組む。

ところが実際の戦場では、敵味方が入り乱れて殴り合い、前後左右に誰がいるのか完全には把握しきれない状況だって生まれるはずだ。戦士が前を向いて殴り、盗賊が正確に射抜き、ファイアボールが敵のみを殲滅する戦いがすべてではない。

乱戦は消耗戦に近く、戦いをしづらく、もしくは単純にする傾向がある。ざっと考えた乱戦の特徴は以下の通り。

  • 戦士が後ろや左右からも攻撃を受ける。回避しづらくなるが、こちらの攻撃も当たりやすくなる
  • 魔法使いが集団攻撃をしづらい。むやみに使うと味方に当たってしまう
  • 盗賊が矢を撃ちづらくなる。むやみに使うと味方や他の敵に当たってしまう
  • 後衛にいる貧弱なキャラクタが、互いに殴られる対象となる

こんなイメージだ。

ゲームバランスの維持が難しくなるためか、これを採用しているゲームはあまり見かけない。

私の経験では、ルナティックドーン1,2がいい感じで表現できていた記憶がある。おバカなAIを持つ魔法使いに、幾度となく味方を壊滅させされたプレイヤーは多いことだろう。戦闘開始直後に、味方の盗賊に後ろ頭を射られるなんてのもしょっちゅうだった。何せ盗賊は中衛に配置する傾向があるから、戦闘はじめに矢を撃てば戦士の体に当たるのは仕方がないこと(?)なのだ。

矢を撃つなら横にずれてから撃つか、前衛の戦士が動いてからにしてくれ!と。

それと、もう一つはテーブルトークRPGのT&Tだろうか。今はどうか知らないが、昔のT&Tの基本ルールは乱戦を前提としていた。

乱戦に対して、従来の戦闘には「陣戦」という言葉を使うことにしよう(いま思いついた言葉)。